2010年3月23日 11時52分 更新:3月23日 12時17分
性同一性障害のために戸籍を性別変更した夫婦が人工授精でもうけた子について、法務省が非嫡出子と判断している問題で、千葉景子法相は23日の閣議後会見で「改善には運用での対応は難しい。生殖補助医療の考え方が固まっていないことが問題で、法的措置を検討したい」と述べ、改善には立法措置が必要との考えを示した。
女性から性別変更した兵庫県宍粟(しそう)市の男性と妻が、実弟から精子の提供を受けてもうけた子について、市が「生物学的に出産は不可能」との法務省の判断を受け、非嫡出子として届け出るよう回答。これに対し千葉法相は1月に「早急に改善に取り組みたい」と述べていたが、立法化の検討には長期間を要することから、この日の会見で「明確な基準が定まらないと対応は難しい。当初の認識が十分でなかった」と述べた。
宍粟市の家族は嫡出子としての記載を主張しており子が無戸籍状態となっていたが、法相は「子供に戸籍がないことは避けなければならない」と述べ、いったん非嫡出子として届け出てもらいたいとの考えを示した。