小5自殺訴訟和解
小5自殺訴訟和解 05/21 19:46

北九州市の小学校で、男子児童が自殺したのは担任教諭の体罰が原因だとして、両親が市などに対して損害賠償を求めた裁判で和解が成立しました。

北九州市は、体罰が自殺の原因とは認めなかったものの、自殺を防げなかった責任は認め、災害共済給付金として2800万円を支給するとしています。

この裁判は、4年前、北九州市若松区の市立青葉小学校の5年生だった、永井匠くんが自殺したのは、「担任の女性教諭の体罰が原因だった」として、両親が市などに対して、およそ8100万円の損害賠償を求めていたものです。

去年の1審判決では「胸倉をつかんで揺らすという教諭の指導は体罰にあたり、これが直接的な原因となって自殺した」と認定して市などに2800万円の支払いを命じ、市側が控訴していました。

きょう、福岡高裁で開かれた和解協議で、市は、「教諭の指導は体罰ではない」という主張は変えなかったものの、自殺を防げなかった責任を認め、再発防止に取り組むことを約束しました。

そのうえで、学校管理下の事故に救済金を支給する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」が、災害共済給付金として2800万円を支払うことで、和解が成立しました。

裁判を闘ってきた母親の和子さんは匠くんの命日と同じ今年3月16日に、病気で死亡していて、父親の昭浩さんは、苦渋の決断だったことを明らかにしました。