最終更新: 2010/05/21 16:11

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東京・千代田区の皇居でアライグマが見つかる 鳥獣保護法に基づき処分

東京・千代田区にある皇居の森には、タヌキなどさまざまな動物が住み着いているが、最近各地でトラブルになっているアライグマが見つかった。宮内庁は、有害鳥獣捕獲許可を東京都に申請して捕獲し、鳥獣保護法に基づき処分した。
皇居には、東京ドーム25個分という広さの中に、緑がうっそうと生い茂っている。
2008年、ここに住み着いたタヌキが話題になった。
2008年夏、皇居内に設置された赤外線カメラに、タヌキの鳴き声が収録された。
鳴き声が収録された映像は、皇居内のタヌキの生態を調査するために撮影された貴重なもの。
まとめられた論文の表題は「皇居におけるタヌキの食性とその季節変動」。
そして、その著者の1人に「明仁」の文字があった。
この論文は、天皇陛下が皇居のタヌキの生態について、宮内庁の庭園課、国立科学博物館の研究員らとともにまとめられたもの。
国立科学博物館・川田 伸一郎研究員は「もともとは陛下が、『タヌキのふんを調べてみませんか』というようなことで始まった調査です。陛下は、ご自分でタヌキのふんを回収されて、自分で水で洗って、中に何があるかお調べになられました」と話した。
2006年、お堀の中で立ち往生しているタヌキの子どもが発見された。
今では、皇居内におよそ10匹のタヌキが暮らしているとみられている。
その皇居の森に、新たに現れたのがアライグマだった。
神奈川県の担当者は「(アライグマは)特定外来生物ですので、捕獲しまして、苦痛を与えないような形で処分いたします。神奈川県ですと、年間1,200頭程度、処分しております」と話した。
次々に捕獲されるアライグマ。
ペットとして人気の高かったアライグマが、特定外来生物に指定されたのは5年前。
なぜ特定外来生物に指定されたのかについて、神奈川県の担当者は「アライグマを放置すると、生態系に非常に大きな影響を与える。既存の生態系を破壊してしまう」と話した。
アライグマによって荒らされた畑の写真には、野菜が食い荒らされた様子が写されていた。
トウモロコシの皮だけが残り、さらに、スイカにいたっては、中身だけがきれいに食べられていた。
さらに、人間にも悪影響を及ぼす可能性があるという。
神奈川県の担当者は「アライグマの回虫っていうのがありまして、人にうつってしまいますと、回虫が頭の中に入って、脳炎を起こしてしまうとか、そういう怖い病気を持っております」と話した。
神奈川・横須賀市では2008年、およそ400頭ものアライグマが捕獲された。
生態系にダメージを与える可能性があるアライグマ。
宮内庁は、有害鳥獣捕獲許可を東京都に申請して捕獲し、鳥獣保護法に基づき処分した。
かわいいペットから有害鳥獣になってしまったのは、ペットとして飼いきれず、逃がしてしまったことによるものだった。

(05/18 18:28)


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