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思惑:迫る参院選/4 社民党--先送りの果ては /岩手

 ◇民主協力で埋没懸念 独自候補に関心薄く

 盛岡市大沢川原の岩手労働福祉会館で3月27日に開かれた社民党県連の定期大会。参院選の運動方針を含む議案について議長が「質疑はございますか」と幾度か問いかけたが、挙手する支部幹部はいない。岩手選挙区に独自候補を擁立するかどうかは全会一致で先送りされた。「帰り道は大変だな」。出席者の関心は春を目前にした大雪に向いていた。

 方針案に記された持ち越し理由は「政局の動向を注視する」ため。比例代表で自治労出身の公認候補で前大分県議の吉田忠智氏の支援を再確認するにとどまった。伊沢昌弘幹事長は終了後、「事情は分かってくれている」と笑った。

 だが、出席者が思い描く結論はさまざまだった。普天間飛行場移転問題を巡り、民主党と連立政権を維持できるのか先行きは不透明だ。選挙区で民主と協力する現実路線と、連立からの離脱を見据えて独自候補を探る主戦論。出席者は玉虫色の方針案にあえて異論を差し挟まなかった。

 社民党の支持組織である平和環境県労組センター(議長・来内広幸自治労県本部執行委員長)の傘下組織でも、意見が分かれる。

 昨年12月に同じ会場で開かれた同センターの定期総会で、県北の幹部が訴えた。「市議が選対に入ったが、何もさせてもらえなかった」。社民党県連が昨夏、衆院岩手2区で候補を立てず、民主党候補に協力したことへの不満が渦巻いた。国労盛岡地方本部の斎藤庄司執行委員長は「県連の存在意義が問われかねない」と代弁する。

 一方、県教職員組合(岩教組、豊巻浩也委員長)は今月10日、比例代表で、上部団体の日教組が推す民主党公認の現職と吉田氏を推薦すると決めた。

 民主党支持の日教組と社民党支持の労組センター、それぞれの上部団体から集票を迫られる。3年前は両党の比例票を伸ばせたが、北教組の違法献金事件を機に、組合員が選挙活動に消極的になった。岩教組幹部は「選挙区候補まで推す余裕はない」と言い切る。

 選挙区で民主に協力をしても埋没しかねず、独自候補の擁立には支援組織の関心が薄い。応接間で労組センター幹部がひざを寄せて声をひそめた。「先送りしたら、結局追い詰められるんだ」【山口圭一】=つづく

毎日新聞 2010年5月21日 地方版

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