哨戒艦沈没:「天安」遺族たちの反応は?

「予想通りの結果、北朝鮮の肩持った政治家は謝罪を」

「政府内にも責任を取るべき人物いるなら取れ」

 韓国海軍哨戒艦「天安」沈没により犠牲になった乗組員46人の遺族は20日、韓国軍・民間合同調査団による発表を見守り、「北朝鮮製の魚雷により沈没した」という調査結果に、当然だとの反応を示した。故イ・ヨンサン下士の父、イ・イノクさん(48)は「遺族たちが予想していた通り、北朝鮮の仕業という調査団の結果発表があった」と話した。故ムン・ギュソク元士(上級曹長に相当)の義兄パク・ヒョンジュンさん(38)は、「あれほど確かな証拠(魚雷の推進装置)が出るとは思わなかったが、本当に(証拠が出て)よかった。沈没直後から、家族たちは『天安』が外部からの衝撃により沈没したと信じていたし、韓国の領海内に入り、哨戒艦を攻撃するのは北朝鮮しかいないと確信していた」と語った。

 大邱市内の仕事場で結果発表を見守っていた故ソン・スマン中士(軍曹に相当)の叔父ソン・シヨルさん(44)は、「今後は、暗礁にぶつかり真っ二つになったというようなばかげた話がなくなってほしい」と話した。故パク・ギョンス上士(曹長に相当)のいとこパク・ギョンシクさん(36)は、「国際政治上、あまりにもデリケートな問題のため、北朝鮮の仕業ではなく、原因不明と発表するだろうと思っていた。政府にも責任を負うべき人がいるなら、責任を取るべきだと思う」と注文した。

 北朝鮮による行為と確認されたものの、遺族らは政府が北朝鮮への対応策を講じるのは容易でないと考えている。故キム・テソク元士の兄キム・テウォンさん(45)は、「個人間のもめ事なら、弟の代わりにわたしが仕返しすることもできるが、国際的な問題のため、政府は身動きが取れなさそうだ。こんな状況では心労が募り、倒れてしまいかねない」と苦痛を訴えた。故ナ・ヒョンミン上等兵の父ナ・ジェボンさん(52)は、「気持ちとしては、今すぐ北朝鮮に攻め込んでも気が済まないくらいだが、中朝関係や韓中関係が微妙に絡み、報復は簡単ではないだろう」と慎重に答えた。故パク・ソグォン上士の叔父パク・ジョンギュさん(41)は、「当たり前のことなのに50日以上も調査するなんて、発表が遅すぎという感がある。(沈没)直後に北朝鮮を攻撃すべきだった」と声を荒らげた。

 また、遺族らは、北朝鮮を擁護するような発言をした一部の政治家に対し、憤りを抑えられずにいる。先月29日の合同葬で、姜基甲(カン・ギガプ)議員(民主労働党代表)に、「なぜ北朝鮮にいろいろ(経済支援などを)してやるのか」と抗議した故ミン・ピョンギ上士の母ユン・チョンジャさん(67)は、「北は韓国から援助を受け、武器を作ってうちの息子を殺したかと思うと、血が煮えたぎる思い。姜議員はわたしに謝罪すべき。わたしがこれほどまでに胸を痛めていることを、姜議員は知っているのか」と怒りを爆発させた。姜議員はその後、ラジオ番組でユンさんの抗議に対し、「政府と与党が(『天安』沈没の原因を)北朝鮮のせいにしているのは歴然としている。だから、おばあさん(ユンさん)はそう思ったのだ」と反論した。

 故チョン・ジョンユル上士の義兄パク・ヒョフンさん(35)は、「国民が気持ちを一つにし、力を合わせて対応しなければならないこの状況で、何が何でも『北朝鮮ではないと思う』という一部の政治家を見て、大変失望した」と憤慨している様子だった。

キム・ガンハン記者

パク・ジニョン記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る