北朝鮮の魚雷、狙いと誤算…黄海銃撃戦報復か
5月21日8時50分配信 読売新聞
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北朝鮮は、なぜ自国にとって不利な状況をあえて作り出すような挙に出たのか。金正日(キムジョンイル)体制の利益につなげる計算と、誤算もあったようだ。
「魚雷攻撃」は、金正日総書記の指示との見方が支配的だ。戦力の劣勢を補うための軍事的抑止力の誇示、後継候補とされる三男、金ジョンウン氏への権力継承と関連した軍の士気向上などを狙ったとみられる。
専門家の多くは、「攻撃」理由として、2009年11月、黄海の北方限界線(NLL)近くで起きた南北艦艇銃撃戦で敗北した報復を挙げる。この交戦は、北朝鮮側に複数の死傷者と艦艇の損害を出す韓国の圧勝に終わり、北朝鮮軍は威信回復の反撃機会をうかがっていたとの見方が有力だ。
銃撃戦の結果は、北朝鮮が在来型の戦力で韓国とは戦えない現実を露呈した。韓国国防研究院の白承周(ペクスンジュ)安保戦略研究センター長は「北朝鮮はハイテク化した韓国艦艇との性能差など、水上戦力の脆弱(ぜいじゃく)さを認識している。このため潜水戦力の強化で、軍事的優位を得ようとの戦略変化があった」と指摘する。
高麗大学の柳浩烈(ユホヨル)教授も「魚雷の水中爆発で哨戒艦を撃破できる軍事能力があり、海だけでなく、陸でも空でも、変則的な打撃を与えられることを韓国にわからせた」と分析する。
最終更新:5月21日8時50分
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