【社説】ウソが真実を追いやった狂牛病騒動
2010年05月13日13時53分 / 提供:朝鮮日報
複数のインターネット・ポータルサイトは、2年前の2008年5月に大韓民国全体を無法地帯とした「狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)騒動」の震源地の一つだ。当時、5歳の娘を連れて毎日のようにろうそくデモに参加していた主婦のキムさん(34)は、本紙とのインタビューで、「当時なぜあんなことをしたのか、目の前が何かに遮られていたようだ」と述べた。キムさんはデモが始まる直前の08年4月にMBCの時事番組『PD手帳』を見て狂牛病について知り、さらに「米国産牛肉を食べると脳に穴が開いて死ぬ」「生理用ナプキンや粉ミルク、キャンディーも危険」という書き込みをネット上で目にした。その影響を受け、李明博(イ・ミョンバク)政権に対する怒りが募っていったという。
『PD手帳』は08年4月29日と5月13日の放送分で、ある黒人女性の死因が狂牛病であるかのように、女性の母親へのインタビューを意図的に歪曲(わいきょく)したほか、地面に座り込む「へたり牛」をあたかも狂牛病に感染したかのように錯覚させる映像を流した。同時に、「韓国人が人間狂牛病(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病〈vCJD〉)に感染する確率は94%」という虚偽の事実まで広めた。『PD手帳』が全国にガソリンをばらまき、インターネットがそれに火を付けたようなものだ。その結果、火の手は一気に全国各地に広まった。
進歩新党のある党員(37)は同年6月、「警察官がデモに参加した女性を連行し、性的暴行を加えた」という虚偽の事実をネットの掲示板に書き込んだ。匿名の賛同者らはこの虚偽情報を広め、さらに携帯電話のメールでも広まったことから、デモ参加者たちは極度の興奮状態に陥った。この党員は最近のインタビューで、「わたしの書き込みは事実ではなく、当時の状況を比喩(ひゆ)的に表現したものに過ぎない。ネットの書き込みは99%がゴミくずということは誰もが知っている」と述べた。しかし、このゴミのような情報が火種となり、国全体を燃やし尽くしたのだ。当時、地方のある大学の学生会長(25)は、「ろうそくデモの途中に女子大生が死亡した」として、真相究明を行う名目で募金活動を行った。しかし、この男は集めた金を横領した容疑で起訴され、1審の裁判が進行中だ。同じころ、大手ポータルサイトのダウムには、警察がデモ隊に向けて放水を浴びせる動画と共に、「今、放水と共に白骨団(デモを鎮圧する私服警官隊)が現場に投入された」などと書き込まれた。しかし後にこの動画は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権当時に撮影されたもので、いたずらに掲載されたものだったことが判明した。
ポータルサイトは狂牛病騒動が最高潮に達していた2008年5月から6月にかけて、このように根拠のないうわさを事実であるかのように流布するなど、大きな影響力を行使した。「ポータルサイトに掲載された書き込みは事実とは異なる」と指摘したマスコミや専門家は、これらのサイトを利用するニセの専門家や論客による精神的、物質的なテロ行為に苦しんだ。さらに、こうした被害はネットだけにとどまらなかった。
哨戒艦「天安」の沈没という国家的な非常事態の中でも、ネット上では「米軍による誤爆説」といった無責任なデマが出回っている。2年前に狂牛病のデマを流布した勢力が、今度は天安のデマを背後から広めようとしているのだ。ネット上での自由な情報交換や議論は、もっと開かれたものでなければならない。経済では、悪貨が良貨を駆逐すれば金融秩序が崩壊する。同じように、ネット上で虚偽が真実を追いやる風土に何の対策も取れないようでは、われわれが暮らす大韓民国は決して安全な国とは言えないだろう。
【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題
『PD手帳』は08年4月29日と5月13日の放送分で、ある黒人女性の死因が狂牛病であるかのように、女性の母親へのインタビューを意図的に歪曲(わいきょく)したほか、地面に座り込む「へたり牛」をあたかも狂牛病に感染したかのように錯覚させる映像を流した。同時に、「韓国人が人間狂牛病(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病〈vCJD〉)に感染する確率は94%」という虚偽の事実まで広めた。『PD手帳』が全国にガソリンをばらまき、インターネットがそれに火を付けたようなものだ。その結果、火の手は一気に全国各地に広まった。
進歩新党のある党員(37)は同年6月、「警察官がデモに参加した女性を連行し、性的暴行を加えた」という虚偽の事実をネットの掲示板に書き込んだ。匿名の賛同者らはこの虚偽情報を広め、さらに携帯電話のメールでも広まったことから、デモ参加者たちは極度の興奮状態に陥った。この党員は最近のインタビューで、「わたしの書き込みは事実ではなく、当時の状況を比喩(ひゆ)的に表現したものに過ぎない。ネットの書き込みは99%がゴミくずということは誰もが知っている」と述べた。しかし、このゴミのような情報が火種となり、国全体を燃やし尽くしたのだ。当時、地方のある大学の学生会長(25)は、「ろうそくデモの途中に女子大生が死亡した」として、真相究明を行う名目で募金活動を行った。しかし、この男は集めた金を横領した容疑で起訴され、1審の裁判が進行中だ。同じころ、大手ポータルサイトのダウムには、警察がデモ隊に向けて放水を浴びせる動画と共に、「今、放水と共に白骨団(デモを鎮圧する私服警官隊)が現場に投入された」などと書き込まれた。しかし後にこの動画は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権当時に撮影されたもので、いたずらに掲載されたものだったことが判明した。
ポータルサイトは狂牛病騒動が最高潮に達していた2008年5月から6月にかけて、このように根拠のないうわさを事実であるかのように流布するなど、大きな影響力を行使した。「ポータルサイトに掲載された書き込みは事実とは異なる」と指摘したマスコミや専門家は、これらのサイトを利用するニセの専門家や論客による精神的、物質的なテロ行為に苦しんだ。さらに、こうした被害はネットだけにとどまらなかった。
哨戒艦「天安」の沈没という国家的な非常事態の中でも、ネット上では「米軍による誤爆説」といった無責任なデマが出回っている。2年前に狂牛病のデマを流布した勢力が、今度は天安のデマを背後から広めようとしているのだ。ネット上での自由な情報交換や議論は、もっと開かれたものでなければならない。経済では、悪貨が良貨を駆逐すれば金融秩序が崩壊する。同じように、ネット上で虚偽が真実を追いやる風土に何の対策も取れないようでは、われわれが暮らす大韓民国は決して安全な国とは言えないだろう。
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