筑後川水系のアユ漁が解禁された20日、福岡県朝倉市の原鶴温泉一帯では恒例の「鵜飼(うか)い」が始まった。筑後川河畔に広がる同温泉街の呼び物。船の明かりで銀色に輝くアユを、鵜匠(うしょう)と鵜が懸命に追った。
江戸時代から続く伝統漁。この日は夕暮れと同時に3隻が出漁し、18羽が魚影に目を凝らした。鵜匠の巧みな手綱さばきで一気に水中に潜ると、若アユをくわえて誇らしげに浮上。水しぶきが舞うたびに、屋形船に乗った見物客から歓声が上がった。
原鶴温泉旅館組合によると、温泉街の旅館数は17軒。不況の余波で1年で4軒が休廃業に追い込まれたという。「鵜飼いを集客につなげていきたい」と担当者。10月中旬まで続く。
=2010/05/21付 西日本新聞朝刊=