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きょうのコラム「時鐘」 2010年5月21日
政治の迷走や心を暗くする犯罪などが報じられると、元気の出る記事を探したくなる。目立たないが小紙の「きょうの言葉」という短い連載は、愛読者が多いと聞く
きのうは「不機嫌は立派な環境破壊だということを忘れないでいましょう」という言葉が紹介されていた。独りよがりのような「地球に優しい」大合唱には少なからず反発を覚えるが、こんな環境破壊の警告は心にとどめたい 優しい言葉や朗らかな態度が、日々の暮らしを明るく元気にする。的を射た言葉だと思う。が、省エネ運動に劣らず、言うはやさしく、実行し続けるのは難しい 画家にとって大事なことは、画室を丁寧に掃除すること。そう教わったことがある。ほうきやぞうきんを手にして汗を流すうちに、怒りや不快な気持ちが消えてゆく。「不機嫌なまま絵筆をとって、人を感動させる絵が描けるかい」。そう言われて感服した 時に作り笑いは見せるが、この国の指導者たちは不機嫌な顔ばかりをさらす。それで、いい国づくりができるのだろうか。そんな顔を有権者も選んだ。環境破壊は、二酸化炭素より深刻かもしれない。 |