坂田健史(左)と握手を交わす亀田大毅=後楽園ホール(撮影・金田祐二)
ボクシングのWBA世界フライ級王者・亀田大毅(21)=東日本協会=と同級7位・坂田健史(30)=協栄=が19日、電撃的な握手を交わし、選手間でタイトル戦の“合意”に達した。この日、東京・水道橋の後楽園ホールで行われた「ボクシングの日」イベントに大毅と坂田が参加し、今夏にも予定されるタイトル戦での健闘を誓い合った。
◇ ◇
58年前に日本で初めて世界王者が誕生した日にサプライズが起こった。世界王者会発足式後に、リング下で待ち受けた大毅が、歩み寄ってきた坂田に右手を差し出した。「試合が決まったら頑張りましょう」と大毅が笑顔でささやくと、坂田は「そうですね」と笑顔で応じた。因縁の対決実現へ大きく前進した。
約3年ぶりとなる両者の対面。大毅は「(握手は)試合をやるという意思表示。俺は誰からも逃げない。真のチャンピオンになりたいし」と王者のプライドを見せ、坂田戦への意気込みを語った。一方の坂田は「(大毅と)試合はしたいです。握手の感触?特にはないですね」と冷静な口調ながらも、大毅戦へ意欲を見せた。
5月3日(日本時間4日)に米ロサンゼルスで大毅‐坂田戦の入札が行われ、坂田が所属する協栄ジムが落札したが、現時点で亀田陣営と協栄陣営でタイトル戦の合意には至っていない。ただ大毅、坂田ともに対戦には前向きでこの日、選手間で事実上の“合意”に至った。両者の交渉リミットは今月24日。大毅が自ら坂田に握手を求めたことで、タイトル戦実現へ大きく動いたことは事実だ。
(2010年5月21日)