養父母と知人の男を近く本格聴取　高槻女性遺棄事件　

　大阪府高槻市の淀川堤防で４月２９日、宇野津由子さん（３６）の遺体が見つかった殺人死体遺棄事件で、高槻署捜査本部は１２日、何らかの事情を知っているとみて、養父（３９）と養母（３５）＝ともに同府豊能町＝や、知人の男（４２）＝兵庫県猪名川町＝の３人から近く本格的に事情を聴く方針を固めた。

　捜査関係者によると、宇野さんは独身で、今年２月ごろ、豊能町希望ケ丘に住む夫婦と養子縁組したが、直後から複数の保険会社と契約し、計数千万円の保険金をかけられていた。

　養父母の周辺では、平成２０年１０月にも当時５２歳の女性が養父母の自宅近くの飲食店兼住宅で変死し、多額の保険金が引き出されていたことが判明。女性の遺体を最初に発見したのが、知人の男だったという。

　養父母らは１０日夕、豊能署に宇野さんが行方不明になっていると届け出た。府警は遺体の特徴や服装などから身元を確認した。

　府警によると、養父母は宇野さんについて「養母がインターネットを通じて知り合い、自宅で住み込みで働いていた」と説明。行方不明になった経緯については、「４月２０日ごろ自宅を出て１週間くらいは連絡が取れていたが、２７日ごろから携帯電話にも出なくなった。遺棄事件のことはニュースを見ないので知らなかった」と話していた。

　これまでの捜査で、宇野さんは４月２８日ごろ首を絞められて殺害され、ポリ袋に詰められて高槻市東上牧の淀川堤防の斜面に遺棄されたことが判明。遺棄時刻とみられる２８日午後６〜９時ごろ、現場付近で白っぽい軽乗用車が止まっているのを複数の住民が目撃していた。

　近所の人によると、宇野さんは養父母の家の２階で同居していたが、外出は少なく、普段はテレビゲームなどをして過ごしていたという。まれに知人の男の妻の飲食店を手伝うことがあったという。

　３月初旬にアルバイトの面接を受けたスーパーでは「３６歳、無職」と書いた履歴書を提出。面接官に「夫や家族はいない。私は一人です」と話したという。