大阪府高槻市東上牧(かんまき)3丁目の淀川右岸堤防で4月29日夕、宇野津由子(つゆこ)さん(当時36)=同府豊能町希望ケ丘1丁目=の遺体が見つかった事件で、今年に入り宇野さんに多額の保険金がかけられていたことが、大阪府警や関係者への取材でわかった。契約した保険会社は複数にわたっており、死亡時の受取金は少なくとも計数千万円にのぼるという。
府警は、宇野さんに保険金がかけられた経緯や、失跡前後に何らかのトラブルに巻き込まれるなどしていなかったかなどについて調べている。府警は11日、容疑者を特定せずに宇野さんの自宅などを死体遺棄容疑で捜索。失跡した理由などの解明を進める。
遺体には首を絞められた跡があり、司法解剖の結果、死因は窒息死と判明していることから、府警は殺人容疑でも捜査している。
捜査関係者によると、宇野さんの遺体は、自宅から南東へ約15キロ離れた堤防の斜面の草むらで、ひざを折り曲げるようにしてポリ袋で四重に包まれた状態で遺棄されていた。また、ポリ袋から指紋は検出されず、現場周辺で身元につながるような所持品は見つからなかったことから、府警は、何者かが手袋をはめるなどして計画的に遺棄した可能性があるとみている。死亡推定は28日で、目撃情報などから同日午後6〜9時に遺棄されたとみられている。
府警によると、宇野さんの家族が10日夕に豊能署に相談に訪れて「4月20日ごろ自宅を出て、同27〜28日ごろから携帯電話がつながらなくなった」と話し、身元が判明。家族は「ニュースを見ないので、高槻で死体遺棄事件があったことを知らなかった」などと話しているという。
宇野さんの携帯電話は11日の自宅などの捜索でも見つかっておらず、府警は事件に関与した何者かが持ち去った疑いがあるとみて、通話記録を調べるとともに失跡前後の宇野さんの足取りを調べる。