大阪府高槻市の淀川右岸堤防で、宇野津由子(つゆこ)さん(当時36)=同府豊能町=の遺体が見つかった事件で、宇野さんにかけられていた保険は、生命保険に比べて加入審査が比較的簡略で掛け金が安い生命共済だったことが、大阪府警や関係者への取材でわかった。別々の三つの共済に加入していたといい、府警は契約の経緯などを慎重に調べている。
捜査関係者などによると、共済の加入は今年2月以降で、加入時に原則として本人による申告だけで加入できたり、医師による健康診断が不必要だったりする契約ばかりだったという。生命保険では、保険金詐欺などを目的とした多重契約を防止するため、契約者の名前や生年月日などを登録して各社で契約情報を相互に照会する制度があるが、今回宇野さんの契約があった共済はそうした制度の対象外で、加入チェックが緩やかだったとみられる。宇野さんの契約は計三つで、死亡時の受取額は計数千万円だった。
宇野さんはインターネットで「住み込みの仕事がある」との求人を見て豊能町に住む夫婦と知り合い、今年2月に養子縁組を結んで同居するようになった。約3カ月後の4月29日夕、遺体で見つかった。死亡推定は同28日だった。
捜査関係者によると、宇野さんの家族は「内装の仕事をしてもらうので、(万が一に備えて)一つ保険に入ってもらった。他の保険は津由子が自分で加入した」と府警に説明しているという。