大阪府高槻市の淀川右岸堤防で遺体で見つかった宇野津由子(つゆこ)さん(当時36)=同府豊能(とよの)町=が別々に加入していた三つの共済は、いずれも3月上旬ごろほぼ同時に契約されていたことが、大阪府警や関係者への取材でわかった。死亡時の受取額は計2160万円だったこともわかった。宇野さんは共済加入から約2カ月後に遺体が見つかっており、府警は、加入の詳しい経緯を慎重に調べている。
捜査関係者などによると、宇野さんは、死亡時に受け取る補償が1千万円、800万円、360万円の三つの共済に加入していた。共済は、生命保険と比べると、医師による健康診断が必要ないなど加入の審査が簡略化されているのが特徴。契約は三つとも3月上旬ごろだった。
宇野さんは2月ごろ、豊能町の夫婦と養子縁組して同居を始めた。宇野さんの家族が府警に説明したところでは、内装の仕事をしてもらうためにけがに備えて宇野さんに一つの共済に入ってもらい、残りは宇野さん自身が加入したという。府警のこれまでの捜査で、4月27日に受取額1千万円の共済が解約されていることがわかっている。
府警によると、宇野さんの遺体が高槻市東上牧(かんまき)3丁目の淀川右岸堤防で通行人に発見されたのは4月29日夕。司法解剖の結果、死亡推定は同28日だった。宇野さんの家族は、宇野さんが4月20日ごろに家を出て27〜28日ごろに携帯電話がつながらなくなった、と府警を訪れて相談している。府警は、共済の契約から2カ月足らずの時期に宇野さんが失跡した経緯などを慎重に捜査している。