2010-05-20

全頭殺処分

テーマ:ブログ

 先日の定例記者会見で僕が発言・答弁した内容が、一部切り取られて偏向的に報道されたらしい。そういうメールや書き込みを全国から多数頂いた。

 どの部分がどのように報道されたかは分からないが、記者会見の内容全ては県HPの動画で見れるようになっている。

 また、その記者会見の内容を忠実に書き起こしして頂いた方もおられるようで感謝を申し上げたい。何が正しくて何が間違いか? 情報の受け手が公平・公正に判断出来る時代である。特に、ネット系の情報ツールが発達した今日、最早、メディアがバイアスがかかった報道をすることは不可能な時代なのかも知れない。


 本日までに新たな確認15例。殺処分対象7,102頭。場所は、川南町・都農町・新富町・高鍋町。これまでの累計146例、殺処分対象125,266頭。拡大は広がる一方である。


 国の方針として、移動制限区域内のワクチン接種(結果全頭殺処分)実施が発表された。しかし、このことはずっと言わせて頂いて来たが、ワクチン接種は、対象農家や関係農家等への十分な生活支援・経営支援・再生支援がセットでないと地元の了解はとても得られない。対象農家を始め、地元の理解と協力が得られなければ、ワクチン接種など出来ない。


 国には、どれくらいの、どんな支援をして頂けるのか?早急に明示して頂く必要がある。カネのことばかり申し上げて申し訳ないし、農家さん達や関係者の気持ちやこれまでのご労苦や努力はカネには換えられないことも十分理解しているが、農家さん達や関係者の現実の生活がそこにあるのだ。

 

 今日も協議の中で、山田副大臣には以下のことを口頭で申し入れた。「国の対策本部長である首相から、大枠で例えば1000億円なら1000億円、早急に最低限手当するので、ワクチン接種や早期出荷等を含めた拡散防止に協力頂きたいというメッセージを頂きたい」

 「国が、国が・・・と言い過ぎる」と先日も記者から指摘があったが、これは広域の法定伝染病や広域災害と同様、既に一自治体の範疇を完全に超えている。これはもう国家防疫、国家の危機管理として、国の責任において対策が求められる。そのための国の防疫対策本部ではないのだろうか。


 地元は別に地域エゴを主張している訳でもなく、蔓延防止に抵抗・非協力ということでも決していない。これ以上の拡大を止め、一日も早く終息することは関係者全員の共通の切実な願い・思いである。その為に、関係者は全力で取り組んできた。県として出来うる対策・措置は講ずるし、これまでもそうして来た。

 ただ、ワクチン接種による結果全頭殺処分となると、疑似患畜は勿論、健康な牛や豚も殺処分対象となる。農家の方々の無念や悲しみや落胆を思えば、そうそう簡単にやれるものではないということである。大変な覚悟が必要になる。その事を国にはご認識頂きたい。

 

 勿論、これまでに殺処分した家畜や関係農家に対する支援、移動制限・搬出制限がかかった地域やそれ以外への経済的支援等も迅速にやらなければならない。殺処分作業や埋却地の確保も遅れを取っている。人員増員や埋却地の円滑な確保にも全力を挙げなければならない。

 

 一層の防疫措置、封じ込め対策、消毒ポイントの強化、風評被害対策等も勿論必要である。現場が大変疲弊し疲労困憊なのも重々承知している。しかし、本県畜産のみならず、九州、延いては全国の畜産・農業・食の確保ために、多くの方々にご理解とご協力をお願い申し上げたい。


 

 
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