◆日本ハム3−1巨人
ポーカーフェースは崩さない。日本ハムの二岡は喜びを押し隠すようにダイヤモンドを回った。同点に追いついた直後の6回2死二塁。スライダーにタイミングを外されながらも、崩れた体勢で左翼席まで運んだ。勝ち越しの4号2ランは、古巣の巨人からの初アーチ。プロ12年目の通算165号で、史上17人目となる全12球団からの本塁打を記録した。
「バットの先だったけど、何とか届いた」。移籍2年目。トレードに出された悔しさはあっても、秘めた思いは口にしない。試合後、巨人戦での本塁打について聞かれると、「マスコミの人があおるから、コメントしづらいな。そんなに意識はないです」。苦笑いでかわした。
直前には遊撃手で自らの後継者である坂本が、先制ソロを放っていた。3連勝で5位の楽天に並んだ梨田監督は「坂本が打った後だから。古巣への思いは当然あるでしょう」と、殊勲者の気持ちを代弁した。右ふくらはぎなど下半身の故障を抱えながら、指名打者での出場を続ける。規定打席には13打席足らなくても打率は3割1分5厘。巻き返しを図るチームをバットで支えている。 (永山陽平)
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