Updated: 2010/05/18
NHKの顔が北海道でも人気に/登坂淳一アナ
By 北海道日刊スポーツ新聞社
「全国の顔」が札幌にやって来て1カ月、その人気が北海道にも浸透している。3月末からNHK札幌放送局に赴任した登坂淳一アナ(38)は、夕方の「ネットワークニュース北海道」(午後6時10分〜同7時)で北海道の今を伝えている。穏やかな笑顔、上品な声で芸能人にもファンを持つ「登坂アナ効果」から同局のインターネットサイトのページビューや番組視聴率が上昇。視聴者を魅了する素顔を直撃した。
3月まで全国ネットで正午と午後6時の時間帯を担当。まさに「NHKの顔」というべき登坂アナが、異動で札幌にやって来た。地元メディアも取り上げ、大きな話題にもなった。
「この夏には参院選もあるし、あと1年くらい東京にいるのかなと。東京の前は和歌山、大阪だったので、次の異動も関西圏に行くのかなぁと思っていました。1月に異動の内示があって、札幌って聞いて正直『えっ、そうですか』と驚いてしまった」。
気品あふれる雰囲気、低音の美声、穏やかな表情にアンジェラ・アキらファンと公言する芸能人も多い。4月には「新NHK」と、札幌放送局が登坂アナを起用したポスターを制作したところ希望者が殺到。非売品だったため、急きょ代用のポストカードを作った。同局の外壁には垂れ幕が登場し、ブログの書き込みは全国から100件を超えることもある。
「北海道のNHKを広く知ってもらいたい。その旗振り役をやらせてもらっている。自分自身がどうこうというわけではなく、役割の1つだと。(テレビは)見てもらってなんぼですし。気恥ずかしい部分もありますが、求められるならチャレンジしよう、トライしてみようと思っています」。
担当する番組の視聴率は上昇の兆しを見せている。昨年の平均視聴率は7・9%。登坂アナが登場した3月29日以降は8・7%と0・8ポイント高くなり、最近では2ケタを超える日が増えた。
「北海道に来てまだ1カ月ですし、実感として変わったと思う部分はありません。ただ、季節感は違いますね。放送に対しては、変化しているところとしていない部分があります。やり方、考え方の部分は変えてません。何を今、伝えるべきなのかを常に考えるようにしています。ただ、今はそれに加えて現場で取材して、見て伝えることができるかなと」。
4月は室蘭で行われている「シップリサイクル」という廃船の解体から出た鉄を再利用するプロジェクトを取材した。未来に向かって懸命に取り組む地元の人たちを、寒さで鼻を赤くしながら中継した。その声は穏やかだが、情熱にあふれていた。
「地元を応援するような放送がしたいと。(室蘭の)皆さんが頑張ってやっているところを伝えたい。未来に希望が持てるような放送にしていきたい」。
マスコミや広告代理店などを志望し、経験を自分の言葉で伝えたいという理由でNHKのアナウンサーの職を選んだ。全国ネットのニュースを読み始め、ある日を境に知名度は飛躍的に高まった。
「認知されたのは、お昼のニュースをやっている時ではないでしょうか。06年12月、髪の毛を染めるのをやめたんですよね。そうしたら、話題になってしまって…。和歌山時代に毒物カレー事件(98年7月)が起こって、半年間ものすごく忙しかったんです。ストレスもあった。そうしたら自分でも『どうしたんだ』と思うほど白髪になっていったんです。月に1度染めていたんですけど、美容師さんに『かなり傷んでるからやめたほうがいい』と言われまして。いきなり染めるのをやめない方がいいという声もありましたが、自然体でいこうと。髪の毛は健康になったのですが、不健康に見えたみたいで…」。
柔らかい口調の中に、強い意志が見え隠れする。北海道にいる間にやりたいことがある。
「北海道で何か1つ、これから先も長く関心を持てるテーマを見つけられたらと。報道する側の人間としてもそうですし、個人的な私自身の興味としても探していきたい。まだ、漠然としていますけど。そういったものを見つけて、伝えていけたらいいですね」。【上野耕太郎】
登坂さんの北海道特選
▽食べ物 まだ、いろいろなものを食べたわけではないですが、おすしはいただきました。あと、山わさびは、本当においしいと思いました。
【取材後記】 本当に穏やかな口調と、柔和な表情が印象的でした。取材を仕事としている人にお話をおうかがいするのはとても緊張するものです。気さくな笑顔で対応していただきました。柔らかい部分だけではなく、1本、芯が通った面もかいま見ることができました。硬派で熱い部分を持ちながら、気品のある表情と声。めったに遭うことのできない、凜(りん)とした人でした。「登坂アナのファンの方はお目が高い!」。同性から見ての感想です。【上野耕太郎】
NHKの顔が北海道でも人気に/登坂淳一アナ
2010/05/18
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