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【哨戒艦調査結果】韓国、ほぼ完璧に真相解明 沈没事件、北の孤立化必至
このニュースのトピックス:韓国
【ソウル=黒田勝弘】韓国艦沈没事件の原因について韓国政府は“物証”により「北朝鮮製の魚雷による攻撃」とほぼ完璧に真相を解明した。乗員46人が犠牲になった大型艦に対する夜間の闇討ちはテロである。
北朝鮮は過去、1983年ミヤンマーでの韓国大統領暗殺未遂(随行閣僚など17人爆死)、87年の大韓航空機爆破(乗員・乗客115人死亡)など“国家テロ”を繰り返してきた。今回の事件でそのテロ体質があらためて確認された。
重なる犠牲に韓国国民の怒りは強い。国際社会の非難による北朝鮮のさらなる孤立化は避けられない。
事件の動機や背景について専門家の間では(1)同じ海域での昨年の衝突事件に対する報復(2)軍の士気高揚と金正日総書記に対する忠誠競争(3)米国を交渉に引き出すための軍事的緊張激化(4)後継者候補・金ジョンウンの業績作り(5)韓国の李明博政権に対する揺さぶり−などが指摘されている。
北朝鮮は現在、貨幣改革の失敗もあって経済難はますます深刻になっている。とくに食料品など日常消費物資の不足からくる民心の不満、不安、悪化が伝えられている。
このため北朝鮮としては「民心引き締めのための緊張作りと、国民に安心感を与えるため軍事的成果が必要だった」(ソウルの外交筋)との見方が有力だ。
米国はブッシュ前政権の末期に北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除した。しかし今回の事件で再指定の可能性が強い。
韓国としては独自の対北軍事報復は難しいため、国連安保理への提訴など国際社会による対北制裁の実現に全力を挙げる構えだ。
国際的には日米の全面的支持は間違いないが、これまで北朝鮮を擁護し続けてきた中国はきわめて難しい立場になった。