大阪府高槻市の淀川堤防斜面で先月29日、大阪府豊能町の宇野津由子(つゆこ)さん(当時36歳)の遺体が見つかった事件で、宇野さんと同居していた養父(39)とみられる男性が京都府舞鶴市白杉の路上に止めた車内で死亡しているのが18日未明、見つかった。京都府警は、車内に木炭があることから自殺とみており、身元の確認を急いでいる。
京都府警によると、大阪府警から18日午前3時45分ごろ、「(この事件の)関係者が舞鶴方面に向かっており、自殺するかもしれない」旨の連絡が入った。午前4時半ごろ、京都府警の捜査員が府道脇の空き地で軽乗用車を見つけた。
運転席のシートを倒して男性が横になっており、既に死亡していた。車の窓は粘着テープで目張りされ、助手席のドアだけが施錠されていた。後部座席には木炭が入った七輪が置かれていた。遺書などはなかった。
現場はJR舞鶴線西舞鶴駅の北約8キロ。舞鶴湾のそばで、周囲は雑木林や畑に囲まれている。養父は17日午後11時半ごろ、外出先から家族に電話をかけたが、その後、連絡が取れなくなったという。
事件は先月29日にポリ袋に包まれた宇野さんの遺体が見つかった。今月10日夕、養父らが大阪府警豊能署に宇野さんの行方不明の相談に訪れたことから身元が宇野さんと判明。
府警高槻署捜査本部が宇野さんの足取りなどについて養父らから事情を聴いていた。
宇野さんは今年に入りインターネットで知り合った養父母と同居を始め、今年2月に養子になっていた。養父母には既に子どもがいた。養子になった直後、宇野さんには受取人を養父母とする総額約2100万円の生命保険がかけられていた。
毎日新聞 2010年5月18日 西部夕刊