2010-03-14 17:04:19 ryobaloの投稿

山口組後藤組元組長の「肝移植」につきまとうFBIとの裏取引疑惑②

テーマ:政治
①からの続き↓↓

説「ビザを発行してもらえるなら、山口組関連情報を提供する」説

ジェイク氏が続ける。
「当時、後藤組長は肝臓病を患っていた。心臓病も併発し、昭和医大の主治医に『肝臓移植を受けない限り、年末まで持たない』と宣告されていたほどだ。そこで、有名なサッカー選手の父親の紹介で、UCLAのメディカルセンターで肝臓移植を受ける段取りをつけた。執刀医は肝臓移植の第一人者であるR・B医師だった。

R・B医師を紹介したのが、後藤組の企業舎弟で『タケシタサブロウ』という人物だった。
彼は米国司法界の有名人で、シティバンクに口座を持ち、その口座が、資金洗浄に使われたのではないかと疑われたこともある。
シティバンクは、プライベートバンキングの免許を取り消されているが(彼の口座のことが)その一因になったとも伝えられている。
また、病院での手術の段取りや費用の支払いを調整した日本の政治家の名前も分かった。

こうして移植手術の根回しは済んだものの、大きな問題があった。
後藤組長は米国入国管理局のブラックリストに載っていて、アメリカへ渡航できなかったのだ。
また、医師を確保しても、ドナー(肝臓提供者)の確保は別問題だった。
4月中旬、米国大使館3階で、FBI関係者らが後藤組長と面会した。
肝臓病がかなり悪化している状態だったという。
黄疸で体が変色しており、白目まで黄ばんでいたらしい。

面会の際、後藤組長は『肝臓移植を受けないと自分は死ぬ。ビザを発行してもらえるなら、山口組関連情報を提供する』と切り出したという。
FBIにとっては非常に魅力的な話だった。
喉から手が出るほど、その情報が欲しかった。
なぜかというと、日本の警察庁は、暴力関連情報を、基本的にはFBIと共有していないからだ。
そのためFBIは、米国で暗躍する山口組を捜査することが不可能に近かった。

元FBI捜査官はこう説明した。
『10年間、NPA(警察庁)と協議会を重ねてきたが、教えてもらった幹部達の名前は50人足らず。しかも、名前だけ教えられても何の役にも立たない。日本人は同姓同名が多いから、生年月日も教えてもらわなければ、水際で組員を発見するのは至難の業なんだ。出入りを把握できなければ、捜査はおろか、国内での活動さえ監視できない。資金洗浄の実態もつかめない。後藤と取引すれば、必要な捜査情報をやっと得られる、みんなそう思ったんだよ』

FBIは、ビザ発行の代わりに、①米国内で山口組が資金洗浄に使っている企業・金融機関・カジノ
②主要幹部らの実名・生年月日
③米国内のフロント企業名簿および同企業の役員名簿
④北朝鮮関連情報

以上の4点に関して、情報を提供するように要請した。
後藤組長はその条件を飲み、取引が成立した。
そしてFBIが米国入国管理局にビザの発行を請求すると、管理局は難色を示しながらもこれに応じた。

やがて4月下旬頃から、周囲に絶対情報が漏れない安全な場所で、後藤組長は毎日のように、事情聴取に応じていたという。
『最初はあまり喋らなかった。覚えていないとか、後でメモを書くとか、手術が成功したら詳しく話すとか、煙に巻くばかり。FBIは、これではビザは見送りだとしびれを切らした。それで後藤組長は渋々と情報提供を始めた』

これは当時の関係者の証言だ。
提供された情報は、主に(同じ山口組の二次団体の)引道会や増田組などの幹部とフロント企業関連情報。

山口組と朝鮮総連に関する情報も求められたが、後藤組長は、それだけはためらったらしい。

だが、そうした情報を伝えた後、自分の組員・企業舎弟など、計6人の個人情報・顔写真も提供したそうだ。
その中には、名の知られた格闘技家もいて、彼は引道会と近く、暴力的な仕事を担当しているという。

事情聴取の際、後藤組長に応対した面接官はこう尋ねたそうだ。
『ミスター・ゴトー、FBIと取引していることがバレたら、命が危ないのでは?手術を受けて日本へ戻った後、怖くないのですか?』

『平気だ。稼ぎ頭を殺す馬鹿はいないだろう。朝鮮の連中だけは少し違うが』

後藤組長はあくまで冷静だったそうだ。
この取引は、しかし後藤組長の手術後に破綻する。

なき医者への謝礼は1億円!?なき

ジェイク氏は、後藤組長の渡米の様子についてこう解説する。
「5月上旬、後藤組長の病状が急に悪化したため、FBIロス支局は早めに入院するべきだと判断し、01年5月18日、FBIに同行された後藤組長とその長男は、成田発のJAL0062便でロスに出発した。成田空港へ向かっている最中、(米国大使館の)法務官が初めて警察庁に事務連絡を入れ、後藤組長と取引した事実を伝えている。

また後藤組長を尾行していた警視庁の刑事は、彼がまんまと米国行きの飛行機に乗り込む場面を目の当たりにし、呆気にとられたそうだ。
翌19日(米国時間)、後藤は入院した。
しかし入院した途端、苦痛を訴え、事情聴取にほとんど応じなかった(同月22日、長男は帰国)

当時、後藤組長を担当した看護師(女性)は、その時の印象をこう話している。
『とても紳士だったし、英語もまぁまぁだった。自分をエリートビジネスマンと言い、愛人になってくれるか、とも誘われたが、冗談だと思った。でもなんだか怖い雰囲気の時もあった。1度、ベッドに水をこぼしてしまった時は、私の腕を掴み、日本語で何か叫んだ。あの目付きは一生忘れられない。一瞬、殺されるかと思った』

後藤組長は入院の前後、米国の大手カジノ会社の日本支店と、日本の某宗教団体(おそらく創価)大学を通じ、数回に渡って約2億円以上を引き出し、手術の費用を確保している。
医者には約1億円の謝礼を払ったといわれている。

7月4日前後、交通事故で死んだ16歳の少年が、ドナーとしての適合性が高いと判断された。
翌日に緊急手術が行われ、手術は大成功した。
順番待ちする他の患者をどのように飛び越え、肝臓移植を受けたのかは不明だが、FBIの後押しがあったと考えるのが自然だろう(FBI関係者はそれを否定するが)

手術後も、後藤組長はFBIに対して供述を渋っていた。
そして7月下旬、ビザが切れる寸前に帰国した。
FBIは日本ですぐ接触を試みたが、肝臓を勝ち取った後藤は知らぬ顔で、なしの礫だったという。
FBIはこれに激怒した。
「彼は生き残り、肝臓と延命を得られたが、アメリカは約束された情報の二十分の一しかもらうなかった。結局、彼は懲罰もなく、いい思いばかりしている。大したものだ」

経緯を知る元FBI捜査官は、皮肉交じりにそう証言している。
アメリカに渡った際、後藤組長はなんの犯罪行為も犯していない。
FBIは裏切られたことに地団駄を踏んだが、身柄の引渡しさえ請求できずに涙を飲んだ。
後藤組長に対する怒りから、辛辣な批判をする証言者達だが、暴力団にすれば、手玉に取ったということになるのだろう。

もっとも、米国メディアがセンセーショナルに報じたこの1件は、あくまでもモラルに対する問題提起の域を出ていない。
ただこの騒動がきっかけで、多くの情報がジェイク氏や新聞社に寄せられたため、今後は事件化の芽もあるという。

眠い「提供情報」によって押収された、五菱会の“闇金”海外資産眠い

ジェイク氏が証言する。

『ワシントンポスト』の記事が出た後、私の非公開のメールアドレスに、妙なメールが届いた。
メールは某米諜報機関の元事務員と名乗る男性からだった。
信憑性は定かではないが、こんな内容のメールだ。

『FBIはもちろん、CIAとほかの諜報機関などが、後藤経由での北朝鮮関連情報を喉から手が出るほど欲しがっていた。当時、偽ドル札の問題もあったからだ。結局、某諜報機関がFBIと別に独自行動をとった。諜報機関側は、FBI側をあまり信用しなかったからだ。米国同時多発テロが起こる前の話だから、当時FBIとCIAなどの諜報機関は犬猿の仲だった』

後藤は、米国大使館を訪れた際、携帯電話を取り上げられた。
それは通常の手続きだ。
携帯電話や録音機やパソコンの持ち込みは、原則として禁止だからだ。

彼がのらりくらりと法務官と話している間、携帯電話や彼の持ち物などに小型盗聴器が仕掛けられた。
そのため、彼は自分が喋ったと思った以上に、相手に情報を伝えていた。
彼の不注意だった。
悪玉は、よくそういう間違いを犯すのだ。
自分は卑怯な手を使うのに、善玉側は紳士のルールを守ると信じてしまう。
こちらはべつに、フェアプレーで行動しているわけではないのだが』

盗聴器を仕掛けたという話については確認する術はないが、たしかに前例はある。
95年、橋本龍太郎通産大臣(当時が)ミッキー・カンター通商代表と貿易大臣に関する会議を行う前、日本側の準備内容はすべてCIAに盗聴されていたそうだ。
このことは『ニューヨークタイムズ』でも報道されている。 

また、東欧の某国で局長を務めたことのある元CIA工作員は『米国同時テロが起きる前までは、CIAなどの諜報機関がFBIと競って情報を取ろうとしていたのは事実。後藤が持っていた情報が北朝鮮絡みなら、それは貴重なもので、別の米政府機関がそれを横取りしようとするのも不思議ではない』と、自分の推測を述べていた。

後藤組長から得られた情報がごくわずかだったとしても、まったく無駄ということではなかった。
ある捜査関係者に『後藤組長は少ししか喋っていないかもしれないが、まず情報をもらってから見返りを与えるのが情報源管理の鉄則。有益な情報のないまま肝臓移植を手伝うわけがない。チャリティじゃないんだ。世界最高の捜査機関なんだ』

実際、『後藤情報』によって、米国税関捜査局(ICE)などが山口組五菱会の資金(闇金の不正利益)など計約3億円を没収できたというし、さらにスイス当局も約50億円を没収できたという。

こわいUCLAの仲介役に宗教団体(創価学会)の名前が浮上!こわい

以上の内容は『ワシントンポスト』や『ロサンゼルスタイムス』に書かれたこととほぼ同じだが、日本のほとんどのマスコミは黙殺した。
実際、第一報となった『ワシントンポスト』の記事を紹介したのは数紙だけで、それ以外のテレビや新聞、雑誌などは完全無視だった。
また、一部には「どうしてこの時期にこんなニュースが出たのか?」と、いぶかしがる日本人記者もいる。

移植手術は01年のことであり、今更この話が話題になるのはおかしい、というわけだ。
前出『ロサンゼルスタイムス』のジョン・グリオニ記者は、こうした態度に疑問を持っている。

「日本のマスコミが、『ワシントンポスト』の記事を後追いしなかったので、びっくりしました。現地のスタッフに報告を求めたところ、記事になったといっても、我々の書き写しだけだと言われました。

ただ、日本の警察が後藤の組織を分析した報告書を読んだところ、その理由が若干わかった。
彼はやっぱり怖い存在です。
平気で記者を脅し、復讐に燃える性格らしい。
僕は準備の段階で、『現地の特派員は本当に大丈夫か』と心配していた。
映画監督の作品が気に入らなかっただけで、後藤の部下がその監督を襲ったでしょう。
彼の秘密を暴露する記事を書くのは怖い。
ただ、後藤の弁護士は非常に協力的だった。意外でした。

もっとも、こうした記事が出たおかけで、ヤクザの異様さがクローズアップされ、これから米国側は、日本に対してもっと捜査協力を求めるでしょう。
そうなれば、米国における資金洗浄の実態が、改めて注目されるはずです。
手術は01年のことですが、後藤の担当医はいまだに診療を続けている。
現在進行形の問題であり、すでに過去の話として片付けるのはおかしいのです」

日本のマスコミは記者クラブ制度に守られていながら、皇室スキャンダルがそうであるようにリスクある報道の一番槍は、いつも外国メディアだ。
なんとも皮肉な話である。

記者クラブの面々は、悔しさから黙殺を決め込んでいるわけではないだろうが、ジョン・グリオニ記者が言うように、この問題は決して過去の話題ではない。
現在アメリカでは、後藤組長とUCLAを繋ぐルートに、政治に極めて強い影響力を持つ某宗教団体(創価学会)が絡んでいるのではないかという疑いが浮上し、米国上院議員や米国捜査局などが情報収集を開始したとも聞く。
こうした動きも、日本のマスコミはまったく無視するのだろうか。

【追記】
08年10月、山口組は後藤組長を除籍処分にすると発表した。
その後、多くの山口組直参組長が後藤組長の擁護に回り、山口組執行部が後藤組長の処分を業界で最も重い絶縁に切り替える動きを見せ、あわや内部分裂という騒動になった。

しかし後藤組長の神戸訪問により、処分は引退に落ち着き、騒動は終結する。
同時に後藤組長擁護に回った組長たちもそれぞれ引退・絶縁処分となった。

週刊誌が報じた、後藤組長の誕生会のゴルフコンペに多数の芸能人が出席していたという記事が理由といわれるが、真相ははっきりしない。

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