天ぷら粉にネズミ混入、メーカーに改善命令(下)

メーカー側は反発

 食品医薬品安全庁の措置に対して、三養ミルマックスとEマートは強く反発している。食品医薬品安全庁が「ネズミが混入した可能性がある」「施設改善命令を下した」などと発表すれば、消費者に対するメーカー側のブランドイメージが傷つくため、原因が判明する前にこうした措置が発表されては困るというわけだ。三養ミルマックスの関係者は、「天ぷら粉を袋詰めした後、X線で異物検査を行い、重量チェックをするため、異物が混入した可能性はほとんどない。ネズミ4匹が捕まったのは工場の外郭。これは、防鼠作業を徹底したということで、それをネズミがいると解釈してもらっては困る」と主張した。

 一部では、「悪質クレーマー」の可能性もささやかれている。食品医薬品安全庁は、メーカー側の反発を受け入れ、危害事犯中央調査団を派遣し、工場の従業員や申告者に対する調査を直ちに行う予定だ。

原因究明は可能か

 2008年初め、ネズミの死がいと思われる異物が発見された農心「セウカン(韓国版えびせん)」事件は、およそ2カ月にわたる調査の末に、結局原因を究明できなかった。1次調査では施設改善命令が下されたが、最終的には「原因究明は不可能」との判定を受けたわけだ。しかし農心は当時、主力商品「セウカン」のイメージが大幅に低下し、大打撃を受けた。

 一方、08年にツナ缶から錆びたカミソリの刃が発見された東源F&B事件では、最終的に生産社員のミスだったことが判明した。食品医薬品安全庁の関係者は、「カミソリの刃や針金の場合、現場調査を行えば、実際の工程上、同じ金属製品が使用されたという証拠が見つかるケースが多いが、動物のように動く物体の場合、正確な混入ルートを突き止めるのは難しい」と述べた。

金慶和(キム・ギョンファ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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