哨戒艦沈没:魚雷スクリューに通し番号、動かぬ証拠(上)

 哨戒艦「天安」沈没事件の調査結果発表を5日後に控えた今月15日、ペンニョン島沖の沈没現場付近で破片の回収作業をしていた底引き網漁船の網に、小さなスクリュー2個が付いた物体がかかった。

 韓国政府の関係者は「北朝鮮が誰が見ても北朝鮮のものだとすぐに分かる(ものを残す)愚かなミスをしたことを奇妙に思った」と語った。軍民合同調査団が決定的な物証を入手した瞬間だった。

 この物体は、スクリュー2個、方向舵(だ)4個、駆動軸で構成されていた。誰が見ても推進装置であることが明らかな状態だったという。京畿道平沢で問題の物体の引き渡しを受けた合同調査団は、駆動軸部分にハングルで「1番」という通し番号が刻まれているのを発見した。調査団は7年前に韓国領海で収集した北朝鮮の訓練用軽魚雷と比較し、同じ様式の通し番号であることを確認した。訓練用軽魚雷には「4番」と書かれていたという。

 調査団が今回発見されたスクリューを北朝鮮製と判断したのは、ハングルが書かれていたという決定的な証拠のほか、通し番号の形態、材質などが理由だ。通し番号は、7年前に発見された訓練用軽魚雷に刻まれていた通し番号と同じ方式だったという。兵器の部品にハングルによる表示を使用する国は韓国と北朝鮮しかないが、韓国の兵器ではない点からも、問題の物体が北朝鮮製であることが立証可能だ。

 韓国の魚雷は、スクリューの表面には表示がなく、スクリューが本体にはめ込まれる部分に陰刻(文字をへこませて彫ること)を行う。スクリュー表面に何かが刻まれていると、推進性能に影響が出るからだ。韓国の魚雷に部品番号を記す際には、8けたの設計図面番号や製造時期(例:09-02=2009年に2番目に製造)を使用する。

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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