大邱国際陸上:注目の韓国人対決=女子棒高跳び

 アスリートにとって、ライバルの存在は自身の実力以上の力を引き出す刺激になる。逆に、ライバルがいない選手は本来の力を100%発揮することさえ難しい。事実、選手二人が速さを競うスピードスケートでは、一人が途中で棄権すると、残った一人の記録も目に見えて落ちる。これを考えると、韓国女子棒高跳びには一筋の希望がある。チェ・ユンヒ(24)=SH公社=とイム・ウンジ(21)=釜山市蓮堤区庁=というライバル関係がしっかりしているからだ。

 200メートル、走り幅跳び、やり投げといった7種目の記録を合計し順位を決める「7種競技」の選手だったイム・ウンジが2008年初めに棒高跳び選手になったことで、チェ・ユンヒの「一人天下」に変化が生まれた。イム・ウンジは棒高跳びを始めて5カ月後の08年8月、4メートルの壁を突破し、チェ・ユンヒのライバルとして急浮上。チェ・ユンヒは同年10月に4メートル16の韓国新記録を樹立し存在感を示したが、イム・ウンジの勢いは止まらなかった。昨年3月に4メートル24、その1カ月後には4メートル35を跳び、次々と韓国記録を塗り替えた。彗星(すいせい)のごとく現れた後輩に第一人者の座を許したチェ・ユンヒは「イム・ウンジとのライバル対決で記録をさらに伸ばせるだろう」と、トップ奪還のため磨きをかけてきた。

 19日に開幕した大邱国際陸上競技大会は、両選手のライバル対決が再び審判を受ける場だった。この日はチェ・ユンヒが4メートル20を跳び、4メートルにとどまったイム・ウンジに勝った。チェ・ユンヒはすぐさま4メートル40に名乗りを上げ、韓国記録更新を狙ったが、3回の挑戦をすべて失敗した。チェ・ユンヒの個人最高記録は4メートル25だ。

 両選手とも個人記録更新に失敗したことで、韓国陸上界は世界レベルとの差をあらためて感じさせた。出場選手9人のうち、チェ・ユンヒは8位、イム・ウンジは9位。優勝は4メートル65を跳んだユリア・ゴルブチコワ(ロシア)だった。女子棒高跳びの世界記録はエレーナ・イシンバエワ(ロシア)が持つ5メートル06だ。

 それでも、韓国はキム・ドクヒョン(男子三段跳び、16メートル87)、パク・ジェマン(男子やり投げ、80メートル11)、チョン・スノク(女子走り幅跳び、6メートル47)がそろって銀メダルを取り、開催国としての面目を保った。

陳仲彦(チン・ジュンオン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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