哨戒艦沈没:スクリュー、火薬、合金破片など証拠続々(下)

 「天安」の煙突部分と海底から採取された火薬成分が共産圏で主に使用される硫酸塩だったことや、魚雷に多く使用される高性能爆薬「RDX」が発見された点も、北朝鮮の魚雷である可能性を高める証拠となった。消息筋によると、「天安」から派遣された火薬の痕跡と7年前に採集された北朝鮮製訓練用軽魚雷の推進体の一部成分が似ていることが判明したという。「天安」の切断面や海底などから発見されたアルミニウム合金の破片も、魚雷による攻撃の可能性を補強する証拠となる。

 消息筋によると、さまざまな状況証拠や人的情報を通じても、北朝鮮の仕業であることが確認できたという。韓米情報当局によると、事件が起きた3月26日を前後し、ペンニョン島から約80キロ離れた北朝鮮の琵琶串潜水艦基地を出航したサンオ級潜水艦(325トン級)1隻の行方が一時分からなくなったほか、ユーゴ級潜水艇(85トン級)の異常な動向も見られたとのことだ。情報当局は、北朝鮮の潜水艇か小型潜水艦が西海(黄海)の公海を大きくう回し、ペンニョン島西側に侵入、「天安」の左舷から2-3キロ以上離れた海中で魚雷攻撃を行った可能性が高いとみている。対北朝鮮情報当局はまた、通信傍受、人的情報などから、今回の事件は昨年発足した北朝鮮の対南工作責任機関の偵察総局○局○処が起こした可能性があるとみている。

 コンピューターを使ったシミュレーションの結果も、魚雷攻撃を立証する材料となる見通しだ。これまでのシミュレーションで、「天安」は250キログラム前後の弾頭を装着した音響追跡型重魚雷がガスタービン室部分の船体直下3メートルの位置で爆発し、船体が真っ二つに切断された可能性が高いとの分析が示された。合同調査団による一連の調査結果について、米国、英国、オーストラリア、カナダなどの調査団員も大半が同意しているという。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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