実尾島部隊員の遺族らに2億5300万ウォン賠償命令

ソウル中央地裁判決

 いわゆる「実尾島部隊」(韓国空軍2325戦隊209派遣隊)の隊員だったKさんの遺族ら21人が、国を相手取って起こしていた損害賠償請求訴訟で、ソウル中央地裁民事14部(金仁謙〈キム・インギョム〉裁判長)は19日、「国は遺族に対し、2億5300万ウォン(約1980万円)を賠償するように」との判決を言い渡した。

 同地裁は判決理由について、「Kさんらは当時、危険な訓練を行うということを聞かされず、『職業軍人として採用し、就職を保障する』という言葉に騙されて、実尾島部隊への入隊を志願したこと、また訓練に際して人権を侵害されたことが認められる」と述べた。

 また、同地裁は「国が34年間にわたり、実尾島部隊の実像について明らかにせず、また隊員たちが死亡したという事実を遺族に知らせなかったため、遺族は賠償を求めることができなかった。『消滅時効の期間を過ぎている』という国の主張は認められない」と指摘した。

 実尾島部隊は、1968年1月21日、北朝鮮の特殊部隊(朝鮮人民軍第124部隊)に所属する31人が韓国の大統領府の襲撃を企て、ソウル都心の洗剣亭まで侵入し、多くの市民や軍人・警察官らが犠牲になった事件を受け、報復を目的として創設された。その後、71年8月に実尾島を脱出し、ソウルへ向かう途中、陸軍と銃撃戦を繰り広げ、大部分の隊員が死亡、生き残った4人も翌年に死刑が執行された。

鄭漢国(チョン・ハングク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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