【読谷】読谷村波平の産業廃棄物安定型最終処分場跡地から、火気に触れると爆発の恐れのある8万ppm前後のメタンガスが、2007年から09年にかけて検出されていたことが14日、村の調査で分かった。同跡地の一部では、新たな村道工事を計画していたが、メタンの濃度が下がらないため、村は整備計画を見直す方針を固め、村議会6月定例会に提案する予定。専門家は「危険な状態」と指摘している。
村は、村道中央残波線整備に向けて04年から同地を調査し、5地点のうち1地点から高濃度のメタンが検出された。
濃度が5万~14万ppmなら、火気に反応すると爆発の恐れがあるとされる。07年2月から09年7月にかけて、1地点で5万2000~8万6000ppmのメタンを検出。09年9月にはいったん下がったが、同年11月には6万9000ppmに上り、数値は下がる気配を見せていない。
同地では、民間業者が産廃処分場を運営していたが、異臭が発生して問題となり、05年12月に設置許可が取り消された。現在は空き地となり、別の業者が所有し、周辺には民家もある。
地元住民からの依頼を受け、同跡地を視察したグローバル環境システム研究所(福岡県)代表の元永優一さん(技術士)は「調査方法は分からないが、においや数値から、地下ではもっと高い濃度だと判断できる」と指摘。爆発の危険性、同跡地を通った水が海に流出することを懸念し「専門家を交えて適正に調査し、状況を把握すべきだ」と話す。
村は、跡地の状況について、付近住民にまだ説明していない。正式決定後に検討したいとしており、土地を所有する業者に対しては現在、周辺への影響も分かる調査を依頼。業者も協力の意向を示している。
一方、読谷産廃処分場建設反対実行委員会の川崎則明事務局長は「県に早急に解決してほしい。行政の責任は重い」と訴えている。(嘉数よしの)