宮崎県で多発する家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)問題で、赤松広隆農相が10日、県を訪れ、東国原英夫知事と防疫対応などについて意見交換した。農相は「やれることはすべてやる」と全面的な支援を表明。防疫作業員の増員や、牛や豚の殺処分を余儀なくされた農家へ全額補償する考えを示した。
知事は感染経路の究明や防疫対策、農家への経済的支援を求めた。また、移動制限区域内の県家畜改良事業団(高鍋町)で管理している高級牛ブランド「宮崎牛」の種牛を区域外に特例的に避難できるよう要望した。
県内では9日までに都農、川南両町、えびの市で牛と豚の感染が疑いを含めて56例確認され、まん延防止のための殺処分対象は計6万4354頭に上る。いずれも半径10キロ以内の移動制限区域内で、消毒により国や県は封じ込めを図っているが、作業人員の不足や埋却地の確保が遅れている。【石田宗久】
毎日新聞 2010年5月10日 西部夕刊