福岡県添田町の山本文男町長(84)=贈賄罪で起訴=のリコール(解職請求)をめぐり住民基本台帳の情報が目的外に使用された可能性が指摘された問題で、町議会は20日、臨時議会を開き、地方自治法に基づき調査する百条委員会(6人)を設置する議案を賛成多数で可決、同日設置した。
反町長派の町議や住民によると、「山本町長をリコールする会」が山本町長の進退について民意を問う住民投票に向けた署名を4月21日から集め始めたところ、24日ごろから「山本後援会」などの差出人名で、リコールに反対する封書が町民宅に届き始めたという。
住民基本台帳でしか確認できない世帯主あてに郵送されたものや、通常は使用しない戸籍上の氏名の漢字が使われたりしたものがあり、町民41人が「不正利用を停止させるよう」町に請求。併せて町議が臨時会の招集を求めていた。
臨時会では6議員が連名で議案を提出した。松本雄二議員が「徹底的に調査し、住民との信頼回復に努めたい」と提案理由を説明。上田定議員は「住民が町や議会に対して不信感を募らせる」と反対討論した。採決は賛成6、反対6の可否同数となり、議長裁決で可決した。
=2010/05/20付 西日本新聞夕刊=