西日本新聞

くも膜下出血 奇跡の回復 福岡市の有田直子さん 30日に闘病体験を講演

2010年5月20日 14:20 カテゴリー:社会 九州 > 福岡
重度のクモ膜下出血の体験を講演する有田直子さん

 重度のくも膜下出血に倒れ、奇跡的に一命をとりとめた有田直子さん(37)=福岡市中央区=が30日、自分の闘病体験をテーマに同市中央区天神1丁目のアクロス福岡セミナー室で講演する。昏睡(こんすい)状態を脱し、失った声を取り戻した有田さんが命の大切さを楽しく、まじめに語りかける。

 「『絶対に助かる』と信じていた。それが…」。有田さんは4月初め、野球場内で崩れ落ちるように倒れ込むプロ野球巨人の木村拓也コーチの姿をテレビで見た。「『レベル5』の重いくも膜下出血」と報じていた。15年前の有田さんと同じ状態だった。

 「私は夜中に寝室で倒れ、家族が気づくまで7時間を要したけれど、公開の場にいた木村コーチはすぐ専門病院に搬送された」「もともと、体力にも恵まれている」「愛する家族もいて『生』に執着が強いはずだ」―有田さんはそう思い巡らし、生存を信じたという。

 木村コーチが亡くなった後、有田さんの主治医は「レベル5は死亡か植物状態を意味する。あなたの生還が奇跡だ」と告げた。昨年10月に闘病体験の記録「昏睡Days」(書肆侃侃房(しょしかんかんぼう))を出版した有田さんは、医師の言葉にいっそう「自分を回復に導いた医療、看護、リハビリの力をみんなに知ってほしい」という思いを強くした。

 有田さんは半身不随で車いすを使う。倒れた際に呼吸を確保するため気管に穴をあけ、今も前のようには声が出ない。それでも講演に挑戦する。「聞き苦しいかも知れないけど、自分の声と言葉で伝えたいのです」

 講演会は30日午後1時半から。予約制で参加費千円。申し込み・問い合わせはアヴァンティ編集部=092(724)3226(平日のみ)。


=2010/05/20付 西日本新聞朝刊=

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