識者談話「緩衝地帯も必要」「現在の対策有効」

【宮崎大農学部獣医学科の後藤義孝教授(獣医微生物学)の話】

 ワクチン接種から抗体ができるまで2〜3週間と時間がかかり、獣医師など大量の人材も必要。効果は未知数だが、ワクチンを接種した地域の周囲に感染する動物のいない緩衝地帯を設けないと、感染が広がる恐れがある。

【泉対博日大教授(家畜伝染病学)の話】

 感染地域が宮崎県内にとどまっている現状を見る限り、現在取られている防疫対策は有効に働いていると評価できる。

 発生場所から10キロ以内の牛や豚への殺処分を前提とした全頭ワクチン接種や、10〜20キロ圏内を緩衝地帯とした今回の対策は現状を考えるとやむを得ない。今回、宮崎県の家畜保健衛生所の発生当初の対応が問題になっているが、発熱と下痢だけで口蹄疫と診断するのは無理だと思う。衛生所は慢性的に人手不足で、態勢の強化が課題だ。