６００人斬り経験が…くらたま夫“１８禁”宣伝マンに

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くらたま（左）の支えもあり映画「エンター・ザ・ボイド」で再起をかける叶井氏

　“くらたま”こと漫画家、倉田真由美さん（３８）と結婚したものの、今年４月に経営していた映画会社、トルネードフィルムが破産した叶井俊太郎氏（４２）。百戦錬磨の夫婦は転んでもタダでは起きない。夫は、再起をかけた超過激映画の宣伝を仕掛け、妻はなんとＮＨＫの経営委員に起用されるというのだ。

　会社破産から１カ月。現在、叶井氏はフリーの映画宣伝マンという立場で仏映画「エンター・ザ・ボイド」のＰＲを担当している。「破産した人は表に出ちゃいけないと言われるけど、妻にネタにされているし、僕も生活のために仕事をするしかない。債権者の方々に説明をして、分かっていただける方も、そうでない方もいたけれど…」

　この映画、過激なバイオレンスとエロスで常に物議を醸すフランスの鬼才、ギャスパー・ノエ監督の新作。東京を舞台に２人兄姉のさまよう魂を描いているが、ラブホテルでの乱交セックスを赤裸々に映したり、ボカシ修正を余儀なくされたが男性器のアップがあったりと、やっぱり過激で、もちろん“１８禁”だ。６００人斬りの性豪として名をはせた叶井氏にお似合いだが、自身も「ノエのファン」と言う。「昨年末、会社にこの映画の宣伝の依頼が来て、その後会社が立ち行かなくなったけど、個人の立場でも関わりたいと配給会社にお願いした」ほど入れ込んでいる。

　３月に来日した監督に「会社が無くなりそうだが、僕は宣伝を続けたい」と話すと、「そこまでして応援してくれるなんてうれしい」と逆に励まされたという。

　叶井氏はかつて映画「アメリ」でひと山当てた映画界の風雲児で、フジテレビの月９ドラマ「東京ラブ・シネマ」のモデルになったとも言われている。「周りには『こんどは破産ドラマの主人公だな』と言われている」と自嘲気味。失敗のワケには「身の丈にあったことをしなかった。会社が準メジャーになったと勘違いして、投資は次作で回収できると甘い予測をしていた」と反省しきり。

　「迷惑を掛けた人に仕事で恩返しできれば」と話すが、鬼才の映画で奇才復活の入り口が開くか。１５日から東京・新宿のシネマスクエアとうきゅうなどで公開される。