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孵化「予定日」トキ卵2個、カラスが持ち去り

ひな誕生が期待されたトキの巣に侵入し、卵をくわえるカラス=環境省提供

 新潟県佐渡島で放鳥された国の特別天然記念物トキのうち、15日から孵化の「予定日」を迎えていた4歳同士のペアについて、環境省は20日朝、親鳥が巣を離れたすきにカラスが卵2個を持ち去ったと発表した。

 親鳥もこの後、巣から飛び去ったことなどから、同省は、この巣に卵は残っておらず、ひな誕生の可能性はなくなったとみている。

 親鳥が巣で卵を温める「抱卵」が確認され、孵化予定日を迎えながらひな誕生に至らなかったペアは、これで3組目となった。

 同省佐渡自然保護官事務所によると、同日午前5時25分頃、抱卵していた親鳥の雌が飛び立ち、巣は空になった。7時半過ぎ、カラスが2度にわたり巣に入り、卵を1個ずつくちばしでくわえて持ち去ったという。

 さらに数分後、カラスが三たび巣に侵入したが、何もくわえずに飛び去った。トキの親鳥の雌は8時5分頃に巣に戻り、いったん抱卵の姿勢を見せたものの、間もなく巣を去ったという。

 佐渡島内では現在、これとは別のペア(4歳雄と2歳雌)1組が抱卵を続けており、26日頃以降のひな誕生が期待されている。また、14日に3歳雄と2歳雌のペア1組の営巣も確認されている。

2010年5月20日12時05分  読売新聞)
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