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誤った「サイホン」の定義、世界の辞書に1世紀 豪の物理学者が指摘

  • 2010年05月15日 15:21 発信地:シドニー/オーストラリア
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フランス・パリ(Paris)で撮影した古い辞書(2003年11月27日撮影、資料写真)。(c)AFP/JEAN-PIERRE MULLER

【5月15日 AFP】「サイホン」に関する誤った定義が世界中の辞書に掲載されていると、オーストラリアの物理学者が指摘した。

 オーストラリア・クイーンズランド大学(University of Queensland)の物理学者スティーブン・ヒューズ(Stephen Hughes)氏は「インターネット上も含めて手当たり次第にいろいろな辞書をあたったが、サイホンの原理を正しく説明している辞書はひとつもなかった」と語る。

 サイホンは多くの場合U字またはV字型をした管で、日常生活では魚の水槽の水の交換や、ガソリンをタンクから別のタンクへ移し変えるときなど、ある容器から別の容器に液体を移す際に使われる。サイホンの管内を液体が移動するのは「大気圧」の力によるものだとさまざまな辞書で説明されているが、ヒューズ氏によると正しくは「重力」によるものだ。

 天文学から流星研究、惑星と月などを研究対象とするヒューズ氏が最初にこのことに気づいたのは09年、オックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)を見ていた時だった。同辞書の広報担当に問い合わせたところ、1911年にサイホンの定義を初掲載してから疑問を呈したのは、ヒューズ氏が初めてだと言われた。この初出時に定義を執筆したのは編集者だけのチームで、科学者はいなかったと説明を受けた。

 同辞典の広報からは、現在進めている情報更新中でヒューズ氏の指摘を考慮するとの回答が得られた。同社ウェブサイトによると更新は「R」のところまで進んでいる。それを聞き「次は(サイホンの)Sだから、タイミングはぴったりだと思った」とヒューズ氏は思ったという。(c)AFP
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