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韓国調査団、北朝鮮魚雷で哨戒艦沈没と断定

5月20日10時5分配信 読売新聞

 【ソウル=仲川高志】韓国軍・民間合同調査団は20日午前、海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」が北朝鮮の魚雷攻撃を受けて沈没したと断定する調査結果を公表した。

 韓国政府は今後、国連安全保障理事会での対北朝鮮制裁を求めていく構えだ。反発を強める北朝鮮は同日、制裁が行われた場合の「全面戦争」の可能性に言及するなど、朝鮮半島の緊張は高まっている。核問題をめぐる6か国協議の再開は更に遠のきそうだ。

 調査団の尹徳龍(ユンドクヨン)団長(韓国科学技術院名誉教授)が20日午前10時から、国防省で記者会見を行い、調査結果を説明した。

 それによると、調査団は、哨戒艦の切断面の形状や生存者の供述などから、「哨戒艦が魚雷による水中爆発で発生した衝撃波とバブルジェット効果により切断され、沈没した」と判断した。

 5月15日には、沈没現場の海底から、魚雷のスクリューやモーターなど5点を回収。分析の結果、これらはすべて、北朝鮮の海外輸出用の武器紹介カタログに掲載された魚雷「CHT―02D」魚雷の設計図の部品に一致したという。

 回収部品には、洋数字とハングルを組み合わせた識別番号「1番」が記されていた。韓国軍が2003年に回収した別の北朝鮮製魚雷と表記方法が一致したという。

 哨戒艦が沈没した3月26日の2〜3日前、黄海の北朝鮮の海軍基地に属する一部の小型潜水艇が基地を離れ、2〜3日後、基地に戻ったことも確認された。

 調査団は以上の点などから、「魚雷は北朝鮮の小型潜水艦艇から発射されたとしか説明できない」と結論づけた。

 李明博(イミョンバク)大統領は24日にも、国民向け談話を発表する見通し。調査団が北朝鮮の攻撃と断定したことから、北朝鮮を強く非難する内容となる見通しだ。

 韓国政府は6月の国連安保理の招集を視野に、26日に訪韓する予定のクリントン米国務長官との外相会談や、29〜30日に韓国・済州島(チェジュド)での日中韓首脳会談などの場で、各国に韓国側の立場への理解を求める。

 聯合ニュースによると、朝鮮中央放送は20日、北朝鮮の最高指導機関、国防委員会報道官の声明を報じた。声明は、沈没原因の調査結果を「ねつ造劇だ」と非難。国防委員会が調査団を韓国に派遣する意向を示した。また、制裁が行われた場合、「全面戦争を含んだ強硬措置を取るだろう」と警告した。

最終更新:5月20日11時35分

読売新聞

 

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