質の高い保育は、10代で効果を発揮することもあることが新たな調査で明らかになった。
14日に発表されたこの調査によると、言語、読書、ゲームなどの活動を促進する保育機関や就学前プログラムを通して得た恩恵は、思春期に入った後も続くことが明らかになった。こうした保育を受けた10代の若者は、そうでない若者よりも、学業成績が大幅に優れているという。
この調査は0~15歳の子供1000人以上を対象に、日常的な育児が長期的にどのような影響を及ぼすのかをまとめた初の調査だ。
調査を主導したカリフォルニア大学アーヴァイン校の教育学部のデボラ・ロウ・ヴァンデル教授は、幼児期の保育の影響は消えてしまうと考えられていたが、そうでないことが明らかになった、と語る。
この調査は1991年に米国立小児保健発育研究所(NICHD)が開始した。当初は、子供が母親以外の人に日常的に長時間保育される場合、発育上、どのような弊害と利点があるかを検証することを目的としていた。過去には、幼稚園の入園前や就学前に質の高い保育を受けた子供は、保育の質が低かったり、自宅以外での保育を受けたことのない子供よりも、学業成績という点で有利であるとの調査結果を発表している。
また今回の調査は、自宅以外でケアされる時間が長ければ長いほど、子供は、ケアの質にかかわらず、15歳に達したとき、シートベルトをせずに車に乗ったり、飲酒をするといった危険で衝動的な行動に走る傾向が見られることも明らかにした。ヴァンデル教授はその理由の1つとして、そうした子供は行動を規律するためのスキルである、行動する前に考えるとか行動に出る前に言葉で表現するといったことを十分に学ぶことができなかったのではないかとみている。