デブ犬・ガジロウが行く

《83年はお互いに、映画、TVドラマって芝居づいた年だった》
聖子『田原クンの映画（エル・オー・ヴィ・愛・N・G）いつ封切りなの？』

トシ『もうすぐ。12月24日に封切られるんだ。目下ドキドキってとこ（笑い）』
聖子『クリスマス・イブに封切りなの。凄いわ（笑い）』

トシ『聖子ちゃんの“プルメリアの伝説”あれはいつだった？』



聖子『5月のゴールデンウィーク』

トシ『凄く評判よかったよね』

聖子『田原クンの今度の映画だって、前評判すごいじゃないの。初キス・シーンがどうのこうのって（大笑い）』

トシ『そういう部分だけ騒がれるんで困っているんだ。たしかにキス・シーンを演じるのは最初だったけれどね。映画全体からいったら、そんな大騒ぎするようなことじゃないから（苦笑い）』




聖子『私も“プルメリアの伝説”では初キス・シーンがずいぶん騒がれたわ。でも映画を観てくれたファンの人たちは、ほとんどの人が納得してくれたみたい』
トシ『ぼくも、この映画を観てもらえればきっとキス・シーンなんか大して問題じゃないと思ってくれると信じてるんだ。キス・シーン以上に、あの映画でぼくが演じた立花協という青年の生き様の方が大切だということが、わかってくれるはずだと思っているからね』

聖子『いままでの映画は“たのきん映画”だったけど、今度はそうじゃなく田原クン主演の第一作だってね』

トシ『うん、マッチが共演していてくれてるけど、いわゆるアイドル映画じゃないんだ。特に前半なんか野良犬みたいな役だからね』

聖子『野良犬みたいって？』

トシ『うん、村井国夫さんの吉沢って男に拾われ、吉沢に飼犬みたいにこき使われながらへらへら生きてる男なんだ。立花協って男は…。それにケンカのシーンだって、もっぱら逃げまわってばっかりだったからね（大笑い）』

聖子『じゃ、いままでの映画とはぜんぜん違うんダ』


続く…。