もやは最後まで晴れなかった。シトシトと降り続けた雨。モヤモヤとしたまま2連敗。ただ、落合監督にはくっきりと何かが見えていた。
「せっかく良くなりかけているのを自分らで勝手に壊しているだけ」
試合後、指揮官はきっぱり言った。手に取るように見えた敗因。正体は何なのか。落合監督は笑みを浮かべて話した。「分かんないだろうな、何のこと言ってるのか」
あえてモヤをかけたままにした。?マークがいくつも並んだまま。そこで結果を振る。目立ったのは3失策。痛かったが、この点は「ミスがどうのこうのじゃない」と、否定した。
攻撃面で目立ったのは7回だ。1死満塁から森野、ブランコの3、4番が凡退。2人ともノーヒットだった。打率4割台と開眼気配だった森野がペースダウン。ブランコも3試合打点なし。「壊している」のはこの中軸の打撃のことか。
答えは分からないが、指揮官の目にはハッキリ患部が映っている。「治すのは簡単。本人には分からないからこっちで手を加えてやるよ」。宣言した。“名医”がメスを入れる。監督通算500勝は2試合続けてお預けとなったが、連敗が尾を引くことはなさそうだ。 (生駒泰大)
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