4連勝の勢いはどこへ行ったのか? 19日のロッテ戦(千葉)、中日は6連勝中だった吉見一起投手(25)が先発も、打線が沈黙、守りのミスも出て、1−3で敗れ、落合博満監督(56)の通算500勝はまたもお預けとなった。今季、本拠地ナゴヤドームでは18勝6敗1分けと貯金12もあるのに、ビジターでは、6勝14敗と借金8。極端な内弁慶となっている。
いつかは止まる。それが分かっていても悔しい形で終わりを告げた。初回に1点、3回に2点…。吉見が7イニングで3点を失って今季2敗目。4月から続いた自身の連勝記録は6でストップした。
「初回がすべてです。せっかく2アウトまでこぎつけたのに、しっかり粘れなかったんで」
自らを責めたのは1回だ。2死二塁から勝負を避けるように4番・金泰均を歩かせて大松との勝負を選んだが、結果は左越えの適時二塁打。この回は最少失点で切り抜けたが、納得はできなかった。
実は3回の2失点は森野のタイムリーエラー絡み。それでもあえて1回を「すべて」と表現した。前回の黒星は3月26日の開幕・広島戦(ナゴヤドーム)でチームはその日以来の3失策。足を引っ張られても決して文句は言わなかった。
“因縁対決”も勝負の分岐点になった。1回は西岡、3回は荻野貴、先頭で迎えた2人に出塁を許して生還されている。大阪桐蔭高出身の西岡は高校時代のライバルで、荻野貴は入れ違いながらもトヨタ自動車の後輩。その荻野貴には3回、ファウルで粘られた末の11球目を左翼線に運ばれた。失点こそ防いだが、7回にも先頭打者で出塁(中前打)を許している。先輩の威厳を見せることはできなかった。
「よく投げたと思う。あいつはあいつなりの持ち味は出せたと思うよ」
連勝記録が止まったとはいえ、自責点は1点。近藤投手コーチは吉見を責めようとはしなかった。昨年まで6試合で3勝無敗2ホールド、防御率0・92だったロッテを相手に手痛い土をつけられた背番号19。ローテーションを考えれば、リベンジの機会はない。「次回、また頑張ります」。気持ちを切り替えて次戦に向かうしかない。
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