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「妖精の輪」に収穫量増やす効果 静岡

5月19日14時37分配信 産経新聞

「妖精の輪」に収穫量増やす効果 静岡
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キノコに含まれる物質が周りの植物の生育を手助けする(静岡大学大学院提供)(写真:産経新聞)
 静岡大学大学院は18日、科学的に未解明だった輪状に芝が色濃く生え、その後、キノコが生える「フェアリーリング(妖精の輪)現象」を引き起こす物質が、農作物の収穫量を増やす効果を持つことを突き止めたと発表した。早ければ2〜3年後にこの物質が含まれた肥料が発売される見通しだ。

 効果を発見したのは、同大学院創造科学技術研究部の河岸洋和教授。河岸教授によると、この物質は「2−アザヒポキンサチン(AHX)」と呼ばれ、キノコに含まれている。

 フェアリーリング現象の発生は、キノコの胞子が風で空中に舞い、地面に漂着すると、このAHXを含む菌が性質上、円状に広がる。この現象が周辺の植物の成育を促す効果を持ち、輪状の部分の芝のみが成育するという。これまで西洋では妖精が輪をつくり、その中で踊ると言われており、1884年に科学雑誌に紹介された以降も正体は謎に包まれていた。

 今回、このAHXをキシメジ科のコムラサキシメジから採取。フラスコを使って培養し、稲やジャガイモ、レタスなどの農作物に与えたところ、実験レベルで稲の収穫量が25%、ジャガイモが19%、レタスが25%、アスパラガスが約2倍に増えたという。また、塩害、低温、高温にも強いことも判明。河岸教授は「品種改良をしなくてもセ氏35度まで耐えられる上、海辺での栽培も可能」とみている。

 来週にも実用化に向け、県の農業技術研究所(磐田市富丘)の農場でAHXを与えた稲の苗を植える実証実験に乗り出す計画だ。河岸教授は「アフリカ、インドなどの途上国の食料問題の解決につながれば」と話している。

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最終更新:5月19日14時37分

産経新聞

 

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