陣営幹部らの起訴を受けた会見で、用意した文面を読み上げる小林千代美衆院議員=3月22日午後7時32分、札幌市中央区、吉本美奈子撮影
昨年夏の衆院選をめぐる北海道教職員組合=北教組(ほっきょうそ)=の違法献金事件で、陣営が資金提供を受けたとされる民主党の小林千代美衆院議員=北海道5区=が議員辞職する方向で調整していることが19日、わかった。民主党北海道(道連)の関係者らが明らかにした。辞職は6月下旬以降を検討しているという。
小林氏はこれまで、元秘書らが立件され、同様に「政治とカネ」の問題を抱える鳩山由紀夫首相や小沢一郎幹事長らへの進退問題に波及することを恐れて辞職や離党を否定してきた。しかし、北教組事件の公判で被告らが次々と起訴内容を認める中で「政治責任は免れない」と判断したという。小林氏が議員辞職すれば、鳩山氏や小沢氏らの責任論が再燃する可能性もある。
小林氏は19日に札幌地裁であった北教組委員長代理の初公判後、「社会的・道義的責任を重く受けとめている。議員の身分については今の時点で言うべきではないが、今後の司法の判断を尊重したい」とのコメントを出した。小林氏と民主党関係者の間では、6月中旬ごろに出そろう事件の判決を踏まえて辞職する方針で固まったという。
6月16日の通常国会閉会前に辞職した場合、公職選挙法の規定で北海道5区の補欠選挙が参院選と同日になるが、後継候補の準備の都合などを考え、具体的な辞職時期は6月下旬以降を検討しているという。
小林氏をめぐっては、北教組の事件とは別に、陣営の選対委員長代行だった元連合札幌会長の山本広和被告(61)が公職選挙法違反の罪に問われ、一審で懲役2年執行猶予5年の有罪判決を受けた。山本被告は控訴中だが、検察側は「組織的選挙運動管理者等」にあたると判断しており、禁固刑以上が確定して連座制が適用されれば、小林氏は議員辞職しなくても当選が無効になる。