みじめなアル中から奇蹟の人へ(20)PJニュース記者

【PJニュース 2010年5月16日】「PJニュース記者」

知事選挙も一段落した2005年、ネット上でライブドアが行っていた市民メディア「PJニュース」の市民記者、PJの応募を目にしました。これまでのマスメディアのニュース収集・提供の方法とは全く異なるやり方の新たなメディアの創造。魅惑的でした。私もかつてはマスメディアに席を置いた人間。それだけにマスメディアの限界もわかるのです。市民が記者となって、新たなメディア作るという発想に驚くとともに、夢を感じたのです。

さっそく、児玉先生に相談。即答でした。「長戸さん、これはあなたに与えられた天命のようなもの。人生の最後の締めを新たなメディアの創出と社会の変革のために全力を尽くしたらどうですか。思いっきり暴れまくって下さい!」と力強く言ってくれました。実は家内は、私のアル中時代のことを知っていますから、また記者生活をするとストレスからアル中に戻る可能性もあるかと、反対だったのです。私は家内には頭があがりませんからね。家内が反対なものですから、決断に困っていたのですが、児玉先生の言葉で、踏ん切りがつきました。よし、後何年生きることができるか分からないが、生きている限り、全力でこの仕事に取り組もう、と。

大阪で開かれたPJの研修会に参加し、編集長の小田光康氏と会って、市民が参加するジャーナリズムについて話し合いました。その後も小田氏は三重に来てくれました。そこで、児玉先生と一緒にこれからのメディアの姿を語り明かしました。二人とも語る、語る。これからメディアはどうなるのか、どうなるべきなのか。私もあまり考えていなかった構想が次々と語られます。そうか。そんな凄い仕事に私は立ち向かうのだ、と考えると、身震いがしてきた。身体が熱くなりました。アル中を乗り越えて、生きてきた甲斐があった、と思いましたね。それにしても、小田氏も児玉先生もなんと美味そうにビールを飲むことか。一緒にちょっと一杯、と何度も思いましたが、それをやったらおしまい。ビールに口を付けたら、これからのやりがいのある仕事は自分からまた逃げていく、と心に聞かせて、じっと我慢。

ライブドアのPJ記者としてはがんばりましたよ。ニュースとして掲載回数550回、編集長が決めるPJ大賞10回です。私が書くことによって、少しでもお役にたてるなら、という思いでしたね。今でも書いていますよ。伊勢のために、日本のために、私の命が意味を持つなら。【つづく】

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パブリック・ジャーナリスト　ＰＪニュース編集部