新小児科医のつぶやき

2010-05-19 口蹄疫関連情報・重箱の隅をほじくる

既にカオス状態の口蹄疫関連情報なので、素人は手を出さないのが賢明かもしれませんが、あえて触れてみます。ただし質的には重箱の隅ですから、その程度と御了承下さい。取り上げる題材は口蹄疫が公式確認された4/20の赤松農林水産大臣記者会見概要です。この記者会見が行なわれたのが、

    9時45分〜10時25分

国会答弁から推測すると第1回緊急対策会議を早朝に行われた後のものと考えられます。ほじくった重箱の隅は2つです。


公式報告第1例目は1例ではなく実は3例であった

赤松大臣

     まず、本当は、今日も、ちょっと記者会見遅らせていただきましたのは、ご存知のとおりに、口蹄疫が発生をいたしまして、正式に申し上げますと、4月19日月曜日、宮崎県が当該農場の牛の口蹄疫感染の可能性を否定できなかったことから、私ども、当省の担当課に連絡がございました。動物衛生研究所に検体を持ち込み、これは、昨日、19日の24時頃、夜中の12時頃でございますけれども、PCR検査を実施をしたと。今日、PCR検査、4、5時間かかるものですから、私のところは、夜中にFAXが入ってきましたが、PCR検査の結果、陽性を確認をしたということでございます。

     その他の、いろいろな病気については、県の家畜保健衛生所が、例えば、ブルータングだとか、あるいは、(牛)パラインフルエンザだとか、ウイルス性の下痢だとか何とか、イバラキ病だとか、それは全てやったのですが、それは、いずれも陰性だったということで、こうした、口腔内のびらん等については、あと、残るのは、口蹄疫ではないかということで、検体の持ち込みがされたということでございます。

     その結果、PCRの結果、3頭中3頭で陽性を確認したということでございます。それで、直ちに、農林水産省といたしまして、私、今朝、指示をいたしまして、口蹄疫防疫対策本部を設置をするようにと、そして、ただちに第1回会議をやるということで、閣議後に、その第1回会議をやらせていただいたところでございます。

     皆さん方にお願いを申し上げたいのは、大変、感染力の強い病気でございますので、韓国の例を見るまでもなくですね、非常に、誰か立ち寄ると、足の、靴の裏から、そのあれが蔓延するとか、いろいろあるものですから、極力、情報等については、本省から、あるいは、当該県の宮崎県から流しますけれども、直接、本当は、そこへカメラを持ち込んでとかいうことも、お気持ちは分かりますが、是非、それは、厳に慎んでいただきたい。蔓延を引き起こす恐れもあるものですから、そういうご協力を、報道関係の皆さんにはお願いをしたいと思っております。

     それから、あと、もう一つは、風評被害みたいにですね、「ああ、牛が危ないぞ」、「豚が危ないぞ」みたいな、牛や豚は食えないみたいなことになると、また大変なことになりますので、今、10キロ(メートル)以内、20キロ(メートル)以内ということで、制限を付けまして、10キロ(メートル)以内は移動制限、それから、あと20キロ(メートル)以内は搬出制限区域ということの、そういう区切りをいたしまして、少なくとも、10キロ(メートル)以内については、殺処分、当然、この十何頭、16頭だったかな、いるわけですけれども、全て殺処分にしますが、殺処分完了後、21日間は、そういう、移動制限、通行制限ということで、厳しく、当該農場を中心とした半径10キロ(メートル)以内の区域を、そういう扱い、制限をかけますので、その点については、これ以上、拡がることのないように、万全の措置を執りたいと、このように思っております。

     あと、感染源とか、感染経路の究明等については、本日中に、そういう専門家による委員会を開催をいたしまして、その中で、これらの問題についても、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。これについては、とりあえず、そういう報告です。あとでまた、もし、ご質問があれば、詳しくお伝えします。

まずこの大臣発言で参考になるのは口蹄疫検査に至るまでの検査手順です。4/19に持ち込まれた検体は、まず宮崎県の家畜保健衛生所で他の疾患のスクリーニングをされるようです。

    県の家畜保健衛生所が、例えば、ブルータングだとか、あるいは、(牛)パラインフルエンザだとか、ウイルス性の下痢だとか何とか、イバラキ病だとか、それは全てやったのですが、それは、いずれも陰性だったということで、こうした、口腔内のびらん等については、あと、残るのは、口蹄疫ではないかということで、検体の持ち込みがされたということでございます。

読めばそのままなのですが、手順としては、

  1. 症状として口蹄疫を疑う
  2. 都道府県レベルでスクリーニング検査を行う
  3. 動物衛生研究所で口蹄疫のPCR検査を行う

この動物衛生研究所なんですが本所は茨城のつくば市にあるようですが、九州支所が鹿児島市にあります。どちらでPCRを行なったかは私では判別できません。それよりも注目すべき発言があります。

    その結果、PCRの結果、3頭中3頭で陽性を確認したということでございます

これも動物衛生研究所に持ち込まれた検体は3頭分であるしか読めないのですが、これが3頭とも陽性であったと発言しています。つまり最初に赤松大臣が報告を受けた発見数は3例であった事になります。この例数の数え方なんですが、宮崎県における口蹄疫の疑い事例の112例目〜126例目についてが参考になると思うのですが、

本日、宮崎県児湯(こゆ)郡において、川南町の農場13件(合計25,376頭)、高鍋町の農場1件(3,056頭)、及び、新富町の農場1件(22頭)で口蹄疫の疑似患畜を確認しました。

3つの農場から15件の感染が発見されています。同じ農場から13件発見されても、それぞれ1例と数えているのが確認できます。そうなれば4/20時点で口蹄疫発見例は3例になるはずです。ところが宮崎県における口蹄疫疑似患畜情報等にはこうあります。

  • 1例目(4/20):口蹄疫の疑似患畜の確認及び口蹄疫防疫対策本部の設置について

      本日未明、宮崎県の農場の飼養牛について、動物衛生研究所で口蹄疫に関する PCR検査(遺伝子検査)を行ったところ、陽性が確認されました。
      この陽性が確認された牛については、専門家の意見を聞き、家畜伝染病予防法に基づく殺処分等の防疫措置の対象となる口蹄疫の疑似患畜と判断しました。

  • 2例目(4/21):宮崎県における口蹄疫の疑い事例の2例目について

      本日明け方、1例目の農場から南東約3kmの農場の飼養牛について、(独)農研機構動物衛生研究所で口蹄疫についてのPCR検査(遺伝子検査)を行ったところ、陽性を確認しました。

      このため、口蹄疫の疑似患畜と判断(2例目)しました。

  • 3例目(4/21):宮崎県における口蹄疫の疑い事例の3例目について

    1. 4月20日(火曜日)10時に、獣医師から当該農場の飼養牛を診療したところ、流涎(りゅうぜん)等の臨床症状を確認し、宮崎県に届出がありました。
    2. このため、同日13時に宮崎県は当該農場に立入検査を実施し、本日15時に検体を(独)農研機構動物衛生研究所に持ち込みました。
    3. 本日19時に、PCR検査の結果、3検体中すべてで陽性を確認し、口蹄疫の疑似患畜と判断しました(3例目)。

もう少し書き直すと、

    1例目:4/20未明にPCR検査施行
    2例目:4/21明け方にPCR検査施行
    3例目:4/21の19時にPCR検査施行

赤松大臣が4/20時点で報告を受けたはずの3頭のうち2頭の報告が宙に浮いている事になります。公式報告の2例目、3例目の報告は赤松大臣が4/20朝の記者会見の時点ではPCR検査を受けていないからです。この点について赤松大臣の補足説明があります。

赤松大臣

     幹事さんに、ちょっと、丁寧に説明いたしますと、まず、今、私どもに届いている報告では、4月9日に、飼っているうちの1頭の口腔内にびらんを確認して、家畜保健衛生所へ、その生産者が通報したと。そうすると、宮崎県の家畜保健衛生所は、立入検査をして、同居牛に異常がないために、経過を観察してみようということになったと。そうしたら、4月16日に、同居牛の、一緒の牛舎に入っている1頭が、発熱をして、食欲がないと、口腔内にびらんを確認したと、別の1頭に、よだれがたれる、流涎と言うのですかね、を確認したと。ただ、これは、発熱はなかったと。それで、17日の昼、家畜保健衛生所による立入検査をして、今度は、よだれをたらしてた、3番目の牛ですね、それに、びらんを確認したということで、19日の午前、家畜保健衛生所において、さっき言ったような、いろいろな病気の検査のPCRを実施したら、いずれも、これは陰性だったということで、その時点で、宮崎県の家畜保健衛生所から、農水省の動物衛生課に連絡があったということで、19日の午後、家畜保健衛生所は、口蹄疫の、病性鑑定のために、検体を採取して、それを、私どもの方に持って来たと。

     検体は、病変部、びらん部のぬぐった液が3検体、それから、病変部のところが1検体、それから、血液の採取が16検体、これはもう全頭ですね、そこにいる牛全部、16頭全部の血液の採取、ということを持ち込んだということでございます。

     そして、19日の24時に、動物衛生研究所に検体が到着して、直ちに、検査の結果、PCR、実施時間が4、5時間かかりますけれども、これと、抗体ELISA、これは48時間かかる、それから、ウイルスの分離、これには7日間かかるということですが、PCRの結果、20日の早朝、3頭中3頭が陽性だったということを確認をした、というのが経過でございます。

     詳しいことは、また、必要であれば、紙にして、報道官から配らせますので、それ参照していただければと思います。 今日の、対策本部では、とりあえず、窓口といいますか、責任の部局は、平尾(消費・安全)局長のところの(大臣官房)審議官(消費・安全局担当)が幹事長としてやると、それから、動物衛生課が、庶務・事務局ということで、やらせていただくということですから、いろいろなご質問等は、そちらの方にしていただければと思います。いいでしょうか。

ここには最初の3頭の説明がなされています。具体的には、

  1. 4月9日に、飼っているうちの1頭の口腔内にびらんを確認
  2. 4月16日に、同居牛の、一緒の牛舎に入っている1頭が、発熱をして、食欲がないと、口腔内にびらんを確認
  3. (4月16日に)別の1頭に、よだれがたれる、流涎と言うのですかね、を確認

3頭は同じ農場ですがまったく別の牛であると判断できます。また2例目、3例目は農場が違うと判断しても良いと考えられます。その3頭の検査結果は、

    PCRの結果、20日の早朝、3頭中3頭が陽性

これはどう読んでも4/20時点の口蹄疫発生は1例が発見されたわけではなく、3例が発見されたとしか読めません。しかし公式報告はこれを1例だけとカウントしている事だけは確かです。重箱の隅みたいな話で申し訳ありませんが、同じ農場とは言え10年前は宮崎で3例、北海道で1例の合計4例ですから、何か感じる余地はなかったのかと言う程度の事です。

今となっては最初が1例であろうが3例であろうが累積例数が増えて実情に影響はありませんが、農林水産省の公式報告としては訂正しておいた方が良さそうに思います。


4/9の動きの謎

こちらの方が示唆深いですが、その分推測部分が大きくなり、確定的な話ではありません。

赤松大臣

      出荷は一切してません。9日以降、出荷は1頭もしてません。

      だから、是非、そういうことは強調していただいて、安全ですよと、病気にかかったあれは一切出てません、ということと、それから、万が一、それを食べたとしても、人体そのものには全く影響はないと、ただ、動物同士の感染力は非常に強いので、さっき言ったように、菌がですね、どんどんと、宮崎県で、それこそ牛肉が全部駄目になっちゃうみたいなことにならないように、是非、厳格に、移動禁止かけて、最小限の被害に止めたいというふうに思っております。

      ただ、口蹄疫が発生したということで、対外的には、日本も牛肉を中国(香港等)やアメリカ等に輸出してますけれども、これは輸出停止ということになります、3か月間。そして、もうこれで口蹄疫は落ち着いたと、なくなったということを、相手の国が確認した時点で、また、向こうから言えば、輸入再開ということになるということで。これは、日本も同じ措置をとっておりますので、これはまあ、しょうがないことだと思います。

さらっと読めば常識的な対応に見えるのですが、ここが気になります。

    9日以降、出荷は1頭もしてません

「9日」とは4/9の事であり、4/9は最初の感染疑い例が出た日になるかと思われますが、その日の動きは赤松大臣の発言では、

  • 4月9日に、飼っているうちの1頭の口腔内にびらんを確認して、家畜保健衛生所へ、その生産者が通報したと。
  • そうすると、宮崎県の家畜保健衛生所は、立入検査をして、同居牛に異常がないために、経過を観察してみようということになったと。

赤松大臣が出荷していないと明言したのは「どこから出荷していない」の疑問が出てきます。考えられるものとして、

  1. 第1例目が発見された農場から出荷されていない
  2. 第1例目が発見された農場の「10キロ(メートル)以内は移動制限、それから、あと20キロ(メートル)以内は搬出制限区域」からは出荷されていない
  3. 宮崎県から出荷されていない

1.は「経過観察」中だったので当然そうであったと考えられます。問題は2.ないし3.はどうだったかです。一生懸命探しましたがこれがわかりません。ただ記者会見で赤松大臣が感染力の強さを強調されていましたから、1例目農場の出荷停止だけでは質問として「周辺農場の感染は大丈夫か?」の質問ぐらいは出そうなものです。

実情のソースが確認できなかったのと、赤松大臣が農林水産大臣として「食の安全」を強調した部分と考えますから、2.に準じる規模の出荷停止が行われたものと仮定します。そういう措置が行なわれた事自体は口蹄疫の重大さを考慮すると悪くはないのですが、その後の経過との辻褄に問題が残ります。

大臣記者会見ソースしか無いので推測するしかないのですが、4/9時点では疑いを持ちながらも経過観察となっています。この状態で地域全体の出荷停止をどういう理由で行なったかです。出荷停止は畜産農家にとって大きな影響を及ぼしますから、明確な理由の説明が必要でしょうし、また法的な根拠も必要です。法的根拠無しの協力であるならより詳しい事情説明が必要です。

またそういう措置を行なうからには宮崎県はもちろんの事、農水省にも連絡が行われそうなものであり、そうであれば4/20の公式報告は寝耳に水の不意討ち状態ではなく、4/9時点から危険信号が送られていたことになります。


これでは根拠に乏しいので口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針で確認してみます。まずなんですが、

家畜防疫員は、家畜の所有者、獣医師等から通報があったときは、家畜保健衛生所長に当該通報のあった旨を報告し、アの調書を都道府県畜産主務課にファクシミリ等で送信するとともに、その概要、現地到着予定時刻及びその後の連絡方法について電話で連絡する。

通報があれば家畜防疫員は家畜保健衛生所長に連絡するとともに現場に急行するようです。

家畜保健衛生所長は、当該通報のあった旨の報告を受けた後直ちに家畜防疫員に必要な用具を携行させ現地に急行させるとともに、当該農場に立ち入る家畜防疫員、家畜保健衛生所及び都道府県畜産主務課の間の連絡担当者の設置、現地周辺の家畜の飼養状況等の関連資料の準備を行う。

都道府県の畜産主務課と緊密な連絡を取るとなっています。実はこの先が微妙なんですが、「本病が否定できない場合には、家畜防疫員は次に掲げる対応を行う」とあり具体的には、

適切に病性鑑定用材料を採取し、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所(以下「動物衛生研究所」という。)に搬送する。

4/9時点では「経過観察」であり動物衛生研究所に検体を送ったのは4/19です。あくまでも指針を読む限りなんですが、怪しめば動物衛生研究所に検体を送って確認すると読めますし、怪しくなければ体制を解除するとなっています。しかし実際のところは、赤松大臣の言葉にあるように都道府県の家畜保健衛生所であれこれスクリーニングした上で、口蹄疫をどうしても否定できないの判断を行なってから動物衛生研究所のPCR検査に回されています。

防疫指針の詳細はリンク先を確認して頂きたいのですが、あくまでも私が読んだ印象ですが、

    第一段階:都道府県内での対応
    第二段階:国に報告しての対応

こうあると考えられ、国に報告が上るのは調査段階が動物衛生研究所に検体を送る時点で、県の畜産主務課から農水省の動物衛生課に連絡が行なわれるみたいな感じです。ただしこうともあります。都道府県畜産主務課の措置として異常畜報告時として、

特に次に掲げる場合には、至急、動物衛生課に電話で連絡するとともに、(2)のアの調書をファクシミリ等で送信する。

  1. 発症家畜が複数である場合
  2. 発症後数日で群内に広がりがある場合

ただしこれも基本は動物衛生研究所に検体を送った上のものとも考えられます。ここで宮崎県の怠慢の可能性も生じるわけですが、私は漠然と実務上で動物衛生研究所に検体を送るステップに重い判断が課せられている可能性を考えます。ここのステップが軽ければ4/9の時点で、そんなに躊躇する必要がなさそうに思われるからです。それこそ「否定できないから念のため」で検査すれば良いからです。

ここが良く分からないのですが、いつの時点で農水省に報告が行なわれたかです。考えられる時点としては、

  1. 4/9に防疫調査員が赴いた時点
  2. 4/16に2頭の異常が確認された時
  3. 4/19に動物衛生研究所に検体を送付した時

4/19は絶対ですが、4/16の時点も複数発生ですから防疫指針上は可能性があります。問題は4/9で、赤松大臣の言葉によればこの日から出荷は停止されたとなっています。屠畜場の防疫指針は、

と畜場において異常畜が発見された場合の措置事項

  1. と畜場での家畜及び畜産物の搬出入を緊急的に停止すること。
  2. 異常畜の出荷農場を直ちに特定し、(ア)の指導を行うこと。
  3. 異常畜を発見したと畜場において、と畜検査員と相談の上、と畜場内やと畜場に立ち入った者、車両等の適切な防疫措置を行うこと。また、異常畜以外の搬入されている家畜の出荷農場の特定を行うとともに、当該農場において経過観察等の防疫措置を講じること。

4/9の「経過観察」の時点で出荷停止を行なっても措置として不思議ありませんが、ここも考えてみれば妙で、出荷を止めて経過観察するぐらいなら検体を動物衛生研究所に送付してPCR検査で確認する方が早いとも考えられます。記者会見の赤松大臣の発言から考えられえるのは、

    4/9時点で宮崎県は、疑われれば動物衛生研究所でのPCR検査で確認の防疫指針であるにも関らず、地域の出荷を停止してまで経過観察を行なった。

どうにも流れとしては不自然です。真相は情報不足で確認しようが無いのですが、経過観察中に地域全体の出荷を停止した可能性は低そうに思います。当該農場だけなら出荷停止は防疫指針から可能です。しかし地域全体となれば、かなり大がかりな措置が必要であり、これが行なわれたかどうかに疑問符が付けられます。

そうなると4/9時点では宮崎県のみの対応で国には連絡が上らず、早くとも4/16、ないしは4/19に動物衛生研究所に検体が送付された時点で初めて国に連絡が行なわれたのでしょうか。防疫指針をもう少し読み込まないといけないのですが、疑いのどの時点で農水省に報告が為されるかが、どうしてもわかりませんでした。


おまけ

最後に口蹄疫関連とは別の赤松大臣発言ですが、少し興味を引いたので紹介しておきます。

記者

      激甚指定の関係なんですけれども、1か月半という、発生から早い推移だと思うのですが、指定となったことのお考えというか、お聞かせください。あと、対象の区域で、今後、指定になると思うんですが、現場の浜の方では、同じ浜から養殖棚に向かうのに、市町村の区割りで、A町はOKでB町は駄目だということになりはしないかという不安が広がってるんですけれど、その辺について、ちょっと。

赤松大臣

      おっしゃるとおりです。まず、結論から言えば、もう、我が省は、開かれた農水省、そして、何でも早くやる省ですから、特に、この問題起こった時に、現地からも、いろいろ陳情受けたり、いろいろしましたけれども、とにかく早く結論出して、早く応援できる態勢を作ろうということで、旧来以上に早い取組みだったということを自負をしております。

      それから、今ご指摘のとおりに、本来の基準でいくと、例えば、宮城県なんか入らないところ、いっぱい出てきちゃうんですね。それから、いっぱい出てくるんだけれど、ひとつの町だけはいいと、あと周辺は全部駄目みたいなことになると、これは被害額によってとかいうと、個々の漁業者はものすごい打撃受けてても、全体としての被害額が何割に行ってないから駄目ですよ、みたいなことになっちゃうものですから、これは、このままにしちゃ、やっぱりいけないということで、見直しをさせてもらったと。たぶん、これも今日正式に決まったので、これ以降は、具体的に、どこが入るみたいな表を、よろしければ、僕はもう見てますが、お見せできると思うので、水産庁に言っておきますから、見てください。

      そうすると、ほぼ、ほとんどのところがカバーできているというふうになりますので、自分のところだけがあれになっちゃたとか、この県だけが外されちゃったとかいうようなことにはなっていないということで、7割弱から9割強に増えたわけですから、本当に軽微なところは、申しわけないけれども、これは、お許しをいただきますけれども、そうでないところは、ほとんど入っているというふうに理解していただいていいんじゃないでしょうか。市町村を、是非、確認してください。そうなっているはずですから。

流れがよくわからないのですが、「激甚指定」は天災による被害の補償問題の事を指すようです。あれは地域指定ですから、従来の基準では市町村の区分で補償が出たり、出なかったりの差が生じる事があるようです。これを改善したと言うお話のようです。全然詳しくない話ですから「そんなものか」にしておきますが、赤松大臣曰く、

    我が省は、開かれた農水省、そして、何でも早くやる省

「何でも早くやる省」ですか・・・覚えておきます。

卵の名無し卵の名無し 2010/05/19 09:16 >我が省は、開かれた農水省、そして、何でも早くやる省

激甚指定ですかwんじゃ農水省じゃなく国交省が被害額認定するのかね?農水省の存在意義が皆無になるだろうにw
また権限濫用のスタンドプレーかwこの大臣おかしいんちゃう?

元ライダー元ライダー 2010/05/19 09:31 補償問題は別として、口蹄疫もインフル対策も権限と責任が素人の大臣に集中してるのはおかしくないですかね。記者会見でも「PCR検査が・・・」などと大臣の口から言わせるのは滑稽ですよ。こういう専門的事項なんて政治家である大臣は「よきに計らえと指示を出した」で十分じゃないですか。「医師たるもの、すべての疾病に精通すべし」と同じように「大臣たるもの・・・」というような精神論を垣間見ますね。現実的合理性より建前と言いますか、規範重視といいますか、「そういものだから」というような合理的説明のできない考え方が根本にあるような。そのおかげで、新型インフルの時もそうでしたが、まあ小回りの利かないことといったら。

大臣が自分で任命したひとりの専門家に専門事項は全権委任して、事が終った後に場合によってはその専門家と一緒に任命権者として大臣が責任を取る仕組みにしたほうがみんなの幸せになるような。

卵の名無し卵の名無し 2010/05/19 09:46 元ライダーさまに全面的に同感。
ただし1ヶ所だけw
>大臣が自分で任命したひとりの専門家に専門事項は全権委任
ひとりはいけません。専門家2人と大臣ひとりの合計三人が良いと思います。文殊の知恵は三人で出す知恵だから。

元法学部生元法学部生 2010/05/19 09:57 口蹄疫の確定診断をしているのは動物衛生研究所でも東京小平にある「海外病研究施設」だそうです。
農水省の発表では動物衛生研究所までしか記載がありませんが、宮崎県の発表では「検体を動物衛生研究所海外病研究施設へ送付」となっています。


激甚指定について

暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。(災害対策基本法第2条第1項)

災害対策基本法(以下「法」という。)第2条第1号の政令で定める原因は、放射性物質の大量の放出、多数の者の遭難を伴う船舶の沈没その他の大規模な事故とする。(災害対策基本法施行令第1条)

のいずれかを満たさないものは、そもそも災害対策基本法上「災害」に含まれませんから、激甚指定もへったくれもありません。
この点「だけ」は、小沢主席様が、東国原知事に激甚指定を要望された際に、そういう性質の物ではない旨の発言をしたのは正確な認識にあったと思います。
もちろん施行令を改正して、人あるいは家畜に疫病が大規模に流行した場合を災害の定義に含めることは可能ですが。
ただ法も運用も疫病を想定していないので、激甚指定によって得られる復興に対する財政上や被災者への各種猶予などの各種措置に似た何かを得られる別の法律を制定した方が、いいと思います。
卵の名無し様ご指摘の通り、災害対策基本法は国交省・各自治体建築担当部署が実務を行う家屋の損壊を主たる損害と想定したものですから。

なななしなななし 2010/05/19 10:02 べつに赤松大臣の養護をするわけではないですが
>川南町の農場13件(合計25,376頭)、高鍋町の農場1件(3,056頭)、及び、新富町の農場1件(22頭)
同じ農場なら何頭いても一件(一例)と計算してますよね。
13例:川南町の農場13件(合計25,376頭)→川南町の13軒の農場で合計25,376頭
1例:高鍋町の農場1件(3,056頭)→高鍋町の1軒の農場で3,056頭
1例:新富町の農場1件(22頭)→新富町の1軒の農場で22頭

で、これにしたがえば
最初、1軒の農場で3頭→1例:農場1件(3頭)
となってべつにおかしくないです。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2010/05/19 10:26 tadano-ry様、
>赤松農相「マスコミにお願いした風評被害対策はうまくいった」

風評被害対策だけうまくいってもなあ…。

元ライダー様、
>こういう専門的事項なんて政治家である大臣は「よきに計らえと指示を出した」で十分じゃないですか。

まったくもってその通りですが、「政治主導」などと出来もせん事を言い出したのは民主党自身ですからねえ…。

SeisanSeisan 2010/05/19 10:56 民主党が主張する「民主党的政治主導」が全部の足を引っ張ってますね。
所管大臣に全てを集中させ、官僚には手を出させない、というのが彼らの主張。
赤松大臣も本音では全部官僚に任せたいんでしょうが、官僚による答弁も禁止して、ぜんぶ政治家が決める、って党の方針だから、自縄自縛に陥ってる。

官僚にしても、信用してくれない相手に乳母日傘でサポート&フォローをする義理もないから、どーぞご勝手に、っちゅーのが透けて見えてます。

要するに今回の口蹄疫騒ぎ(の拡大)は、民主党の頓珍漢な方針が見事に足をすくわれたために起こった人災である、ということでしょうね。

卵の名無し卵の名無し 2010/05/19 12:09 >官僚にしても、信用してくれない相手に乳母日傘でサポート&フォローをする義理もないから、どーぞご勝手に、っちゅーのが透けて見えてます。

義理がないどころか憲法と国家公務員法に定められた職務そのものですw>乳母日傘でサポート&フォロー
よって、>どーぞご勝手に、っちゅーのは、もしやれば官僚の明白な犯罪行為です。これを行なう官僚は官憲の手で検挙されるべきでしょうw自公時代からずうっとやってるようだけどね>多くのトップ官僚w

そしてそういう省庁における真の上司である大臣の補佐業務に努めず、トップ官僚の公務員法違反の犯罪行為に部下として忠実に従う官僚がもしあれば、行政組織は一体ですからトップ官僚の犯行の共犯実行者になりますね。国家公務員法違反の組織犯罪ということになるんじゃないかなw

元ライダー元ライダー 2010/05/19 12:15 民主党に限ったことではないのですよ。新型インフルのときも前厚労大臣がマスコミを相手にしてましたよね。宮崎県でもそのまんまがマスコミの相手をしていますし、問題対策だって新型インフルも口蹄疫も素人(大臣や知事)が防疫の最終決定をするんですよ。滑稽な話です。1年も2年も時間を十分かけられることなら素人大臣にセミプロになっていただく時間もあるかと思いますが、危機管理では通用しませんね。選挙で選ばれた素人が何でもかんでも最終決定するんだという民主主義至上の考え方もあるかと思いますが、そうであるならば危機管理の遅れは民主主義を維持するのコストとして甘受しなければなりませんね。

luckdragon2009luckdragon2009 2010/05/19 12:50 確かワクチン投与の清浄国指定は書いたっけ?
まあいいか。
多分、県がプレスリリース出します。

luckdragon2009luckdragon2009 2010/05/19 12:52 って、よく見たら載ってました。w

luckdragon2009luckdragon2009 2010/05/19 12:55 いわゆる定型的危機管理プランは、あるそうなので、今、県の運営がどうなっているかは不明ですが。

luckdragon2009luckdragon2009 2010/05/19 13:44 今回、農水省官僚の原田さんの twitter 読んで、対策プランの大まかな内容があるらしいのは、理解してます。

あと、大臣もそうですが、京都の小児科さんがかつて、厚労省の官僚の話しでも言ってましたが、官僚でも転勤等あります。
ある意味、組織体でやっていくしかないのかもしれませんね。
> 危機管理

koumekoume 2010/05/19 18:56 早くやる省ですか。
私は、赤松大臣って、ダイエットグッズを買っただけでダイエットした気になるってタイプの人じゃないかと思ってます。
グッズを買うのは早いかも知れませんね。戸別所得保証制度もとにかく煮詰めず、明白な問題をそのままにさっさか動き出そうとしてます。

泥曰泥曰 2010/05/19 20:04 4/28の時点でアウトブレイク呼ばわりをされてる国の、常識的に考えれば対策本部長である農相に、外遊にこられちゃった国はいい加減迷惑してたんじゃないかと思う今日このごろ
http://www.fao.org/news/story/en/item/41702/icode/

通りすがり通りすがり 2010/05/19 22:12 TDNうざい。
勝手に自分でブログでも立ててやってろ。
こないだのエントリーで宮崎の知事がツイッターで大変なことになったて書いた時のお前のコメント見てみろ。
wktkってなんだよ。宮崎の人が見たら殺意が沸くぞ。

TDNTDN 2010/05/19 22:49 その米は他のブログ

リュートリュート 2010/05/19 23:25 「Irregular Expression?」から

○さらに事業仕分けで口蹄疫対策費をカットさせる狂った仕分け人
http://irregular-expression.tumblr.com/post/612701494

卵の名無し卵の名無し 2010/05/20 00:10 ここに2ちゃんですら通報レベルの場違いなコメントがひとつあるようだが、自己削除しないのかな?まあもしおいらが書いたなら自己削除やりかた知らないからブログ主に削除依頼するけどね。自分自身のためにもここのためにも。
(Yosyanさまお手数おかけして申し訳ございませんがこのコメントも掲示後可及的速やかに削除お願いします)

通りすがり通りすがり 2010/05/20 00:23 通報レベルのものがあればブログ主様削除してください。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20100519