2010-05-18 口蹄疫関連で少しだけわかった事
口蹄疫についての知識は十分ではありません。どこかに信用の置ける情報はないかと首を捻っていたら、遠目の親戚ですが北海道で獣医をやっている者がいるのを思い出しました。長いこと会っていないので、連絡先を親戚伝いに見つけ出すのも一苦労でしたが、週末に連絡を取ることが出来ました。親戚の獣医は獣医でも大型動物を専門とし、北海道だったか農協だったかの獣医をしているので、信頼の置ける情報と私は判断しています。
いろいろ聞いたのですが私自身が素人なので、なかなか的確に情報収集が出来たとは言い難い面があるのですが、とりあえず親戚の獣医曰く、
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現時点で信頼の置ける情報は農水省のHPのみ
親戚の獣医も仕事柄、畜産農家の横のネットワークによるアングラ情報や、限定的ですが農水省筋の噂も手に入るそうですが、その手の情報も信憑性に問題があるそうで、結局のところ私のような素人は農水省のHP情報以外は信用しない方が無難とされました。ネットでの情報発信もよほどの注意が必要のアドバイスも受けたのですが、うちの口蹄疫関連のエントリーがパンクしそうな関係もあり、この忠告に出来るだけ副っての情報提供にします。
農水省の口蹄疫に関する情報は間違いない公式データなのですが、とりあえず現時点で「疑い事例」の累積数がどうなっているかをグラフに示してみます。
このうちで非常に気になる報告があります。平成22年4月23日付の宮崎県における口蹄疫の疑い事例の5例目、6例目についてです。できるだけ頑張って他の報告を読んだのですが、この回だけは他の報告とかなり異なっている部分がある事が確認できます。5例目と6例目の報告がありますが、気になるのは6例目のほうです。経緯の部分を引用しますが、
- 4月22日(木曜日)14時、1例目の農場と利用している飼料会社が共通である疫学関連農場として、宮崎県が当該農場の立入調査を実施しました。
- 立入検査時においては口蹄疫を疑う臨床症状は認められませんでしたが、農場主からの過去の臨床症状の聞き取りや、疫学関連農場であることを踏まえて採材を行い、また、別の検査で3月31日に採取、保存していた検体と合わせて、(独)農研機構動物衛生研究所に持ち込みました。
- 本日夕刻、PCR検査の結果、3月31日採取の1頭で陽性を確認し、口蹄疫の疑似患畜と判断しました(6例目)。
他の報告と異なり、ここでは症状を疑って検査をしたわけではありません。立入検査時には、
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口蹄疫を疑う臨床症状は認められませんでした
簡単に言えば元気だったと言う事です。ただ立入検査前には何らかの症状はあったようで、
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農場主からの過去の臨床症状の聞き取り
結果として口蹄疫は発見されているのですが、ここでも2つの検体をチェックしています。
- 4月22日の立入検査時に採取された検体
- 3月31日に別の検査で採取されていた検体
二つの検体で口蹄疫が確認されたのは、
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3月31日採取の1頭で陽性を確認
何が浮かび上がるかと言えば、3月31日時点には問題の牛は口蹄疫になっていたようです。それが4月22日時点では治っていたと解釈できます。ここが私の泥縄式の知識では理解できずに困っていたので、専門家に聞いてみた次第です。私の知識では不治の病と言うイメージが濃厚だったからです。専門家の返答は少々驚かされました。
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牛の口蹄疫は治るよ♪
もちろん治らずに死に至ることもあるそうですが、実は結構治るそうです。親戚の獣医も学校の授業では悲惨な病気としてイメージしていたそうですが、実際はかなり治るそうです。ですから宮崎でも発見されて殺処分されるまでに治っている牛はかなりいるんじゃないかとも話されていました。
言われてみれば疫学的にはそうでなければならないはずで、感染力と毒性(死亡率)は通常反比例します。毒性は弱いが感染力が強いか、感染力は強いが毒性は弱いかのどちらかであり、感染力も強いが毒性も強いでは生き残れません。例外もありますが、常識的にはその範疇に収まることが通常は多いですし、口蹄疫もそうであっても不思議ありません。
さてそうなると次の関心は治った牛がどうなるかです。これがはっきりわからないそうです。症状として治ってもキャリアとして感染をばら撒くのか、それともある時期から感染しなくなるのかはよくわからないとしていました。理由は単純ですべて殺処分されるので追跡調査のデータがないそうです。同様により重症化しそうな豚になると、治るかどうかもよく判らないそうです。これもすべて殺処分されるからです。
ただ6例目のケースは示唆的です。3/31時点で口蹄疫であったのは証明されていますが、立入検査のあった4/22時点では、他の牛もさらには豚にも感染症状は無かったと考えられます。潜伏期間は1〜2週間だそうですから、どうも感染は牧場内で広がらなかったと考えられます。仮に広がったとしても治ってしまったと考えられそうです。
だからと言って口蹄疫に関する取扱いが変わるわけではもちろんありませんが、個人的に「驚いた」ぐらいで提供しておきます。
もう一つはこれも6例目の報告にのみ見られる個所ですが、
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飼料会社が共通である疫学関連農場
私には何のことやらミカンやらだったのですが、ここの読み方は、
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中国わら原因説で動いた跡
「飼料会社が共通」とは中国わらが共通であったと解釈するのだそうです。初動時には感染経路が中国わらとかなり疑われ、この飼料ルートを辿って封じ込めれば感染を小規模に抑えこめるの観測があったとされます。この線で動いていた傍証として宮崎県において確認された口蹄疫ウイルスの分析結果についてがあります。ここには、
先般、宮崎県児湯(こゆ)郡都農(つの)町で発生した口蹄疫(1例目・O型)について、(独)農研機構動物衛生研究所が実施したウイルス遺伝子の解析データを同研究所及び英国家畜衛生研究所(英国、パーブライト(注))が分析しました。
この結果、当該ウイルスがアジア地域で確認されている口蹄疫ウイルスと近縁のウイルス(O/JPN/2010)であることが確認されました。
遺伝子解析で97%ぐらい一致したそうですが、現在のところ中国わら説であるかどうかは判断できないそうです。あまりにも感染が拡散しすぎて、疫学的調査が追いついていないらしいと言う事です。初期に飼料会社ルートで疫学関連農場を指定したようですが、その調査結果とかは農水省のHPからは拾えません。そういう調査方針・防疫方針が初期にあった事だけが断片的に窺えるだけです。
ついでなんですが、4/28付宮崎県における口蹄疫の疑い事例の8例目、9例目及び10例目の確認並びに第2回口蹄疫防疫対策本部の開催についても少し注意を引きます。
今回の発生を受け、直ちに第2回口蹄疫防疫対策本部(本部長:赤松農林水産大臣)を開催し、隣接県全域での全額国庫負担による消毒薬散布、宮崎県における迅速な殺処分等の防疫措置を支援する獣医師などの増員等を決定しました。
消毒薬の供給状況は種々の情報が入り乱れて確認しようが無い面があるのですが、このプレスリリースでは
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隣接県全域での全額国庫負担による消毒薬散布
こうなっていますが、4/28に打ち出された対策の内容であると考えられる4/30付「口蹄疫発生に伴う関連対策」には、
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宮崎県全域を対象とした全額国庫負担による消毒薬の散布
隣接県全体と宮崎県だけではかなり変わってくるのですが、どこがどうなっているのか良く分からないところです。ここについての親戚の獣医の見解は聞きそびれました。それと4/28付で決定されたとされる獣医師の増員ですが、これは5/10付読売新聞に
赤松農相は、国などから応援に来ている獣医師を、現在の50人から100人に増やすことに加え、九州農政局からの応援を10人から100人に増やすことを明言。
どうも4/28付では50人の増員であり、今は100人のようです。5/16付宮崎県への人的支援の状況についてで確認すると、「殺処分等の防疫措置」に従事されている人数がそれに当たると考えられ、
- 農林水産省、動物衛生研究所、家畜改良センター、農林水産消費安全技術センターから182人
- 都道府県から64人
- 宮崎以外の畜産団体から33人
合計279人となっています。これらは農林省HPに、
農林水産省、関連独立行政法人及び都道府県から宮崎県に対し、獣医師等を派遣し、以下のような支援を実施しています。
これは赤松大臣への批判ではなく、5/10の知事との会談時に明言していた獣医師の増員がどこに反映されているのか少々わかりにくくなっています。5/10時点では応援が50人で、その時点で100人にするとしていましたが、5/16時点にはさらに279人にまで増えたのでしょうか。そうであればさすがの指導力ですが、情報がこれだけしかありませんし、現在本当はどうなっているかもよく判らないそうです。
それでもってもともと宮崎にどれぐらいの獣医師がおられたかですが、平成20年12月31日時点の農水省データでは、
- 国家公務員 0人
- 都道府県職員:農林畜産64人、公衆衛生133人
- 市町村職員:農林畜産3人、公衆衛生3人、その他1人
- 民間団体職員:農業協同組合1人、農業共済団体117人、会社29人
- 独立行政法人24人
後は民間診療施設もあるのですが、総計で獣医師として届出があるものが598人、そのうち獣医事に従事しない者が53人となっています。ただ殺処分に従事するには別に資格も必要だそうで、これらの獣医師のうち、どれだけが殺処分に従事できるかの正確なデータは不明でした。
これもついでですから、これも個人的に疑問だったのですが5/10の赤松大臣が知事と会見した時に打ち出された「全額補償」です。天漢日乗様のところに転載されているNHK宮崎記事を引用しますが、
家畜を処分された農家に対しては損失額の5分の4を国が補償して、残る5分の1は農家が任意で加入している農業共済で補償されます。しかし農業共済に加入していない畜産農家もあることや、加入していても評価額が低いケースがあり宮崎県は、国に支援を求めていました。
これについて赤松農林水産大臣は、「農業共済でも補償されないケースについてはいったん県が手当をてすればその分を国が補填できるようにしたい」と述べ畜産農家の損失について全額補償する考えを示しました。
これに対し畜産農家の評価が低い事を天漢日乗様も伝えていますが、何故低いのかの理由がよく判りませんでした。これについても親戚の獣医は素人の私にもわかりやすい様に説明して頂きました。記事をよく読んで欲しいのですが、
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残る5分の1は農家が任意で加入している農業共済で補償されます
これが何を意味してるかですが、補償されるのは保険評価額と言うか、牛の個体評価額であると言う事です。それ以外に牛にどんな価格があるかと言うと市場評価額があります。畜産農家の経営は当たり前ですが、牛が市場評価額で売れることを計算の基礎として成り立っています。関係としては「個体評価額 < 市場評価額」であり、宮崎の牛の具体的な価格は知らないが、たぶん半分ぐらいのものだろうとしていました。
宮崎牛の市場価格は値下がり気味で100万円は行かないだろうと言っていましたが、仮に100万円とすれば、補償額は50万円程度になり、そのうち40万円はもともと国が補償しますから残り10万円程度の国の補償の増額に過ぎないと言う事です。これも、もともと農業共済で満額保証を掛けていた農家には関係の薄い話で、救済策といわれても反応が悪いのは当然だろうとしていました。
こういう補償では大規模なところほど打撃が大きく、倒産も増えるだろうとの懸念をされていました。おそらく宮崎の畜産農家が求めている補償は経営存続のために市場評価額に近い補償を期待していたにも関らず、鳴り物入りで出された補償がこの程度であったので、失望感が広まったんじゃないかの観測をされていました。
卵の名無し 2010/05/18 08:51 >5/10の赤松大臣が知事と会見した時に打ち出された「全額補償」
牛や豚の変動する価格への補償ではなく経営母体である事業者の不動産や運転資金への補償が必要な事態であるということを理解できなかった農水大臣の見せ掛けのバラマキスタンドプレーだと思いました。
こういう政治家にしても官僚にしてもみずから事業を起こして働いた経験がないからでしょう、社会人としてアホなのはマスゴミと同じレベルですw
うろうろドクター 2010/05/18 09:01 後出しジャンケンの記事が出ましたね。
「普段の下痢」…宮崎県が口蹄疫発生見逃し
5月18日7時50分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100518-00000016-yom-soci
宮崎県内で被害が拡大している口蹄疫を巡って、農林水産省が最初の感染疑い例を確認した3週間前の3月下旬、同県家畜保健衛生所が、感染した水牛を診察しながら発生を見逃していたことがわかった。
同省などによると、同県都農町で水牛を飼育する農家から、かかりつけの獣医師を通じ、県家畜保健衛生所に「水牛が発熱している。牛乳の出も悪い」という連絡があったのは3月31日。
この日のうちに同衛生所の職員は立ち入り検査を実施し、4頭の水牛に発熱や下痢などの症状が出ているのを確認した。しかし、「普段の下痢」と判断して口蹄疫の可能性を疑うことなく、通常の風邪の検査をしただけで、同省にも報告しなかったという。
この水牛農家から南東に600メートル離れた繁殖牛農家では4月9日、口の中がただれた牛が1頭見つかった。同衛生所はこの時も口蹄疫と見抜けず、20日に「最初の感染事例」として発表した。このため最初の水牛についても22日に血液の遺伝子検査を行った結果、ようやく23日に口蹄疫の感染疑いが判明したが、この時点で既に5例の感染(疑い含む)が発覚していた。口蹄疫の検査結果は通常、1日か2日で判明するため、もし3月末の段階で実施していれば4月初旬には拡散防止対策がとれたとみられる。
口蹄疫は、早期に家畜の移動制限などを講じる必要があり、口蹄疫に詳しい後藤義孝・宮崎大教授(家畜微生物学)は「県が3月の時点で徹底した消毒などの対策を取っていれば、ここまで感染は広がっていなかった可能性がある」と指摘している。 .
luckdragon2009 2010/05/18 09:18 元々件の牛は疑い、だそうで。
あと、治るけど、味は落ちますし、商品価値なくなりますし、勝手に動くキャリアになります。感染力が強くなければ良いのですが。
luckdragon2009 2010/05/18 09:20 で、疑い、を後付けバイアスで批判しているのは何時もの通りですし、消毒せずに取材して、鳥インフルエンザに似た状況にもなってます。
酷いものです。
元法学部生 2010/05/18 09:24 口蹄疫の確定診断を一手に引き受けている、動物衛生研究所のWebサイトの解説によれば
>牛の症状 (略) 幼牛は心筋炎により高い死亡率を示すが,一般の牛の死亡率は低い。しかし,乳牛,肉牛のいずれも運動障害と採食困難に陥り,産業動物としての生産性は著しく低下し,廃用になるものも多い。
>豚の症状 (略) 細菌の2次感染がなければ7〜14日の経過で回復する。(略)致死率は,通常5%未満であるが,新生豚では心筋炎を起こしやすく,その致死率は50%以上に及ぶ。
だそうです。子牛・子豚じゃなければ、致死的な病気ではないけど、肥育や搾乳用に使えなくなるんで、飼ってる意味が無くなるってことですね。愛玩動物じゃないですから。
骨折した競走馬に対する対応が殺処分なのと同じことでしょう。走らないウマの価値はほとんど無い(飼育費用を考えれば、価値はマイナス)って意味で、血行不良から蹄が腐る病気になる可能性も高いけど、ウマといえど決して骨折は不治の怪我では無い。
卵の名無し 2010/05/18 09:28 >あと、治るけど、味は落ちますし、商品価値なくなりますし、勝手に動くキャリアになります。
感染症だから感染しても遺伝子そのものは変化しないから、精液を介する感染がないのなら種雄牛を殺処分する必要はなく隔離して徹底治療すればよいという話になると思いますが、その点はどうなの?
海外逃亡医 2010/05/18 09:49 かなり見やすくグラフ化されておられます。
http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/
川南町での本日の更なる発生により、同町での被害率が目を覆いたくなるものとなりそうです。
元法学部生 2010/05/18 09:58 馬伝染性貧血(これも全頭殺処分が決まっている)の診断を受けた競走馬を、誤診と確信したオーナーが馬自体を隠匿して生き残らせた事例は有名な事例がありますね。
もちろん違法なことですから、公的なセクターが所有する種雄牛では、超法規的措置として国が許可しない限り無理だと思いますが。
防疫としての殺処分だったら隔離経過観察で感染していなければ大丈夫でしょうが、感染歴のある種雄牛の精子採取量が経済的に見合う状態で維持できるかどうかは、治療して供与再開した事例が無いから「判らない」ってところじゃないでしょうか?
卵の名無し 2010/05/18 10:05 >超法規的措置として国が許可しない限り
まあもともとこういうところに内閣の政治決断の存在意義があるのですがねw>農水大臣・首相w
luckdragon2009 2010/05/18 10:12 要は、種牛自体の評価だと思いますが。
残念ながら、私はその知識ありません。
あと、国の方針として、ワクチン投与しない。
口蹄疫清浄国を目指しており、これは輸出や輸入にも関わってくるそうです。
でも、各国の対応も、と殺処分なんですね。
luckdragon2009 2010/05/18 10:15 アメリカの例で、ワクチン投与を併用した例はあるそうですが、これは、国の方針変更を意味します。
元法学部生 2010/05/18 10:16 今回「超法規的措置」として避難した6頭の種雄牛を生き残らせることが出来るかはまだわかりませんが、今後のことを考えたら、防疫用陽圧牛舎と隔離治療用陰圧牛舎を宮崎県家畜改良事業団には建設する必要がありそうな気がします。いま言われている種雄牛の価値が事実なら経済的に見合う投資だと思うんですが。
卵の名無し 2010/05/18 10:26 >いま言われている種雄牛の価値が事実なら経済的に見合う投資だと思うんですが。
もう一点w
コウテイエキが治癒すれば経精液感染が高い確率で起こらないことの確認が防疫用陽圧牛舎と隔離治療用陰圧牛舎建設の必要条件です。
Yosyan 2010/05/18 10:26 元法学部生様
>誤診と確信したオーナーが馬自体を隠匿して生き残らせた事例
よくご存知ですね。馬の名前は「ワカクモ」だったかな?テンポイントにまつわる話だったと記憶しています。
元法学部生 2010/05/18 10:39 http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/fmd.html
を読むと、10年前の家畜衛生試験場長は
>ただよく考えてみると、今回の発生は伝染力の弱い口蹄疫ウイルスによるものでしたし、豚の世界に侵入しなかったことなど、かなりラッキーな事柄が重なっていたことも事実です。
とすぐに収束出来たことに関して、複数の幸運が関わっているとの認識を持っていたようです。
今回は、残念ながら複数の不運が関わっていますね。最大の不運は政府に国家統治能力が無い状態で発生したことなのは論を待たないと思いますが。
卵の名無し 2010/05/18 10:39 前コメ訂正
防疫用陽圧牛舎はすでに直ちに全国の種雄牛産地に作る必要があります。
政治決断が必要なのは隔離治療用陰圧牛舎建設のほうで、個体治癒後の経精液感染の有無の確認は文献的精査で十分でしょう。
元法学部生 2010/05/18 10:50 馬自体を隠匿して生き残らせた事例は「クモワカ(血統名丘高)」ですね。
「ワカクモ」はその子供です。ややこしい名前だ。
伝貧の母子感染率は約50%と言われているそうですから(全頭殺処分なのになんで母子感染率が判っているのかはよく判りませんでした)、子馬から一頭も発生していないことからみて、少なくとも慢性型キャリアとなるような感染は無かったと後出しじゃんけんでは判るんですが…。
卵の名無し 2010/05/18 11:06 宮崎県の種雄牛に対する隔離治療用陰圧牛舎での治療が成功すればその経験で我が国はコウテイエキ対策についての世界最先進国に変身するでしょう。宮崎県1ヶ所だけの隔離治療用陰圧牛舎検討なし緊急建設には国として賭ける価値があると思います。
卵の名無し 2010/05/18 11:30 結局いま国(内閣)が直ちに実行すべき宮崎県対策は殺処分を早めることや最終確定していない被害補償を云々することではなく、元法学部生さまご提唱の
>防疫用陽圧牛舎と隔離治療用陰圧牛舎を宮崎県家畜改良事業団には建設する
を即実行することでしょう。
同時に内閣の決断として
>防疫用陽圧牛舎はすでに直ちに全国の種雄牛産地に作る必要があります。
この2つを全額国の負担で行なうことを直ちに決断する「政治」が求められていると思います。
Yosyan 2010/05/18 11:38 卵の名無し様
>防疫用陽圧牛舎はすでに直ちに全国の種雄牛産地に作る
宮崎の種雄牛をどう扱うかは口蹄疫防疫対策の知識に乏しいので何とも言えませんが、まだ感染の及んでいない他の産地の種雄牛の保護を今のうちに行うのはまさに「政治的決断」でしょう。宮崎の経過を見ても、2002年当時と違い、一度感染が波及すると、その産地は壊滅的な打撃を受けそうだからです。すべての牛や豚を保護するのは「今」は無理としても、最後の希望である種雄牛だけでも死守するのは選択としてありそうに思います。
元法学部生 2010/05/18 12:39 黒豚の系統だった品種改良は国内では鹿児島県でしか行われてなくかつ当該系統の生体での県外持ち出しは禁止されているというwikipediaの記述を信じるならば、出来れば鹿児島県畜産試験場の黒豚を避難させるための陽圧豚舎も現段階ですぐどこか適切な場所に建設して欲しい気がします。手遅れになる前に。
元法学部生 2010/05/18 12:44 それとも、どんなに貴重な系統でも、陽圧や陰圧で牛・豚を飼育するってのは素人の浅はかな考えなのかな。
Umipen 2010/05/18 13:03 いつもはROMな者です。
>うろうろドクター様
全体を通して酷く恣意的な文章で、マスゴミによる医療関連記事と同様のいやらしさが感じられます。
記事の最後にある宮崎大教授のコメントの部分など特に酷い情報操作といえそうです。
「県が3月の時点で徹底した対策をとっていれば拡大を防げたか?」
という主旨の質問を受ければ、科学者としては、
「(県が3月の時点で徹底した対策をとっていれば、という前提であれば)ここまで感染は広がっていなかった可能性がある」と答えるのは当然です。
問題は、その時点で徹底した対策をとる必然性があったかなのに。
この記事の教授のコメントの一部が、間違った論の根拠とならないことを祈ります(無理かな・・・)。
luckdragon2009 2010/05/18 13:07 > http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-f916.html
考察に値する意見だと思います。
清浄国の方針とか。
omizo 2010/05/18 13:23 6頭の移動は、超法規的処置ぐらい、法厳守ならありえない処置です。 いろいろ批判が出はいます。 見逃してやれよ。とは、内心思っております。
精液は。
精液にもFMDVは存在する場合もあります。
ですから
http://www.oie.int/eng/normes/mcode/en_chapitre_1.8.5.htm
Article 8.5.14.
Recommendations for importation from FMD free countries or zones where vaccination is not practised
for frozen semen of domestic ruminants and pigs
Veterinary Authorities should require the presentation of an international veterinary certificate attesting that:
the donor animals:
showed no clinical sign of FMD on the day of collection of the semen and for the following 30 days;
were kept at least 3 months prior to collection in an FMD free country or zone where vaccination is not practised;
the semen was collected, processed and stored in conformity with the provisions of Chapters 4.5. and 4.6.
と定められています。 国内であっても、受け手が ですね。
「普段の下痢」…宮崎県が口蹄疫発生見逃し
5月18日7時50分配信 読売新聞
の話出てきましたか。
ろくな事言わんな(3月26日件)。報道規制しろ。
宮崎大の後藤義孝さんも、ノコメントでしょ。
FMDVは施設はP4ですよ。RNAでエンベロープ持たない。ですから。
元法学部生 2010/05/18 13:48 口蹄疫ウイルスはBSL4ですか。
じゃぁ日本国内で研究出来る稼働施設は無いってことですね。
家畜用病原体の研究となると新規建設も難しそうですね。
周囲に住民が人間が少ない≒畜産しているか野生動物が多数生息している
が成り立ちそうだ。
卵の名無し 2010/05/18 14:21 >素人の浅はかな考えなのかな。
政治家も我々も素人ですが、客観的に見て浅はかなのは政治家のほうだと思いますw
>精液にもFMDVは存在する場合もあります。
ご紹介の文献によると、感染流行中の土地で飼われている一般肉牛の精液提供についての規制と思われましたが、期間は感染後最長3ヶ月とのことなので今回の種雄牛に関しては慎重を期して3ヶ月の倍6ヶ月程度を隔離治癒後防疫施設飼育して精液のウイルス検出観察期間としてとればよいのではないでしょうか。元の文は国内法ではなく国際ガイドラインであり、超法規的措置は今回種雄牛の移動だけで既に行われていて現在は実質治外法権状態ですからw
>FMDVは施設はP4
ウイルス学的感染性についてはそのとおりですが、Yosyanさまはじめ獣医・飼育業者の方たちのコメントにあるとおり感染成熟個体の死亡率はごく低く疾病学的には口蹄疫感染動物にP4対応は明らかに過剰治療でしょう。
であれば元法学部生さまご提言の「防疫用陽圧牛舎と隔離治療用陰圧牛舎」レベルが現実的観点から最も当を得ていると思われます。ただ移動するだけに比べても。
ついでにw
防疫用陽圧牛舎:これを全国に建設することは普段の農水行政の当然の責任であって政治決断は不要です。これを設置していなかったことは農水省官僚機構の不作為責任。
隔離治療用陰圧牛舎:宮崎県の種雄牛のためにこれをつくることが純粋に内閣の政治決断となります。結果責任は問われません。
通りすがり 2010/05/18 14:31 相変わらずマスゴミが酷いw
宮崎県議会議員 横田照夫氏のブログ「心豊かに暮らそうよ」より昨日のエントリ
http://megalodon.jp/2010-0517-1822-33/www.tensan-y.com/index.php?eid=617
(なぜか見れなくなっているので魚拓です)
「今日の午後、その地区に、フジテレビの取材陣が、なんのコンタクトもなく、いきなり畜舎に来て取材を始めた」
「それに対して、別の畜産農家が「消毒はしているんですか?」と聞いたら、「していない。消毒ポイントがどこにあるのか知らない。」と答えたそうです」
「農家も自治会長もカンカンに怒っておられるようです。」
フジは口蹄疫のニュースは今後禁止な。自己批判なら許すがw
omizo 2010/05/18 14:33 BSL4は、感染研と筑波にあるはずですが、原体の国内持込を農水省、外務省は認めていなかったはずです。 国内の原体をであれば、でしょう。国内でのワクチン開発は、途方もない困難さが。
以前、Pirbright からFMDVがもれたのではないかと、騒ぎになった事もありました。そんな事があれば、英国にとって悪夢以外何ものでも。
フジテレビ 2010/05/18 14:34 面白くなければ、テレビじゃない。
byフジテレビ
luckdragon2009 2010/05/18 14:44 BLS4は、国立感染研究所と理研かな。
周辺住民の反対により、level3 稼働状態です。
アメリカ level4 沢山ありますね...。
元法学部生 2010/05/18 14:51 BSL4施設を建設しても、周辺に住民が住んでるとBSL4では稼働できないという知見が既に2施設から得られているからこそ「国内で研究出来る稼働施設は無い」「家畜用でも新規建設も難しい」という結論になると思います。
USAはほら、人間の住んでいなくて、かつ野生生物が近づかないように管理可能な不毛の大地には事欠かないお国柄でもありますし。
omizo 2010/05/18 14:58 6頭の移動に批判があるかといえば、
101例目 児湯郡高鍋町(こゆぐんたかなべちょう)
肉用牛肥育(308頭) 陽性(5/5)(5月15日(土))時間不明
番号 確認場所 経営状態飼育頭数位置経過等 検査結果 陽性
(16日未明判明)101 児湯郡高鍋町 肉用牛肥育 308頭
(肥育牛259頭種雄牛49頭) ※(社)宮崎県家畜改良事業団 73例目の農場から南東約2km
・5月14日、(社)宮崎県家畜改良事業団の飼養管理者から宮崎県に対し、飼養牛の発熱等を確認したと届出
・同日、立ち入り、飼養牛4頭の口腔内にびらん等を確認
・同日、検体を動物衛生研究所へ送付
5頭
FMDVは、幼家畜の心筋炎での死亡率が50%ほどになるのです。 酪農、畜産業にとって、打撃です。
治療出来て、商品価値としてなんら問題がなければ、
OIEのTerrestrial Animal Health Code 2009
FAOのPreparation of Foot-and-Mouth Disease Contingency Plans
http://www.fao.org/DOCREP/006/Y4382E/Y4382E00.HTM
も関係なくなるののですが、日本は、口蹄疫清浄国を理由に、汚染国、汚染地帯からの輸入を、高温殺菌されたもの意外は、止めています。
日本は、いかに早く、口蹄疫清浄国復帰をするか。なのです。科学だけでなく、貿易もです。
卵の名無し 2010/05/18 15:20 >日本は、いかに早く、口蹄疫清浄国復帰をするか。なのです。科学だけでなく、貿易もです。
なるほど。
しかし現状感染拡大をとめられないのであれば清浄国復帰するまでのあいだ狭い日本国土の他の種雄牛産地に防疫陽圧飼育施設は必須ですね。というか、世界中で発生している中で清浄国であろうとするならますます前回の口蹄疫発生直後から作っておかなくちゃならなかったでしょう。
south bay 2010/05/18 15:53 既出かもしれませんが、
http://twitter.com/hideoharada
某板住民 2010/05/18 17:05 話が全然違う事で申し訳ありませんが、昨今話題になっている都他児童ポルノの「非実在青少年」規制について、日々実際の青少年や少女と向かい合う産婦人科の先生方はどのようにお考えか、関心をもたれる先生がいらしたら、よろしければ一度ご意見を伺えませんでしょうか。
政治対策まとめWiki
http://www12.atwiki.jp/eroge_politics/
非実在青少年問題まとめサイト
http://mitb.bufsiz.jp/
二次元規制問題まとめサイト
http://save2d.com/
ご意見はともかくこういう事態が起きている事について、関心をお持ち頂ければ幸いです。場違いの書き込みを失礼いたしました
元法学部生 2010/05/18 17:11 >フジは口蹄疫のニュースは今後禁止な。自己批判なら許すが
天漢日乗様のところで、続報が入ってます。一般人がフジテレビとテレビ宮崎へ電凸したそうで。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2010/05/42026815-5894.html
luckdragon2009 2010/05/18 19:05 隔離は良いとして、餌は?
川越えちゃいましたね。南下が止まらない。悲しい。
ギロシェ 2010/05/18 19:27 >5/10の赤松大臣が知事と会見した時に打ち出された「全額補償」
「全額補償」について、5/11の農林水産委員会で江藤議員が赤松大臣の説明に対して
「それじゃ今までと変わりませんね!」
と突っ込んでいましたが、その意味がよくわかりました。ありがとうございました。
しばらく前から、「マスコミは『県と獣医のせい』にするつもりではないか?」との噂が囁かれていましたが、
その通りになりつつありますね・・・。
luckdragon2009 2010/05/18 20:36 獣医のために、引用
> http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-f916.html
> このような大型伝染病で必ず自殺者が出るのは痛ましい現実です。京都のトリインフルの初発の経営者夫婦の自殺は今でも鮮明に記憶に焼きついています。このようなことを再生産してはなりません。
> 今回の宮崎のケースでいえば、3月31日の都農(ずのう)町における第1例の水牛農家の診断を、獣医師が誤診してしまい、後に東京の動物衛生研究所で遺伝子検査をした結果、それが口蹄疫だと判定されました。それが4月20日で、実に半月経過しています。
> 実際は、この20日間の間に感染が川南町で牛を中心に拡大していったものと思われます。東国原知事が「この瑕疵を問わない」と言明したことは賢明な判断でした。もし、それを問う態度をみせれば、この農家と獣医師は地域で生きて行けないでしょうから。
luckdragon2009 2010/05/18 20:38 しつこいけど、場合によっては人命かかるからね。
> 『東国原知事が「この瑕疵を問わない」と言明したことは賢明な判断でした。もし、それを問う態度をみせれば、この農家と獣医師は地域で生きて行けないでしょうから。』
luckdragon2009 2010/05/18 21:00 まよったんだけど、これもつけます。
本日のやつ。
読んで考え込んでしましました。
> http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-72b6.html
luckdragon2009 2010/05/18 21:06 私の載せているのは、畜産農家のブログです。
実は、数が少ない番号の方には悲痛な農家のメールもあるので。
まあ、読むと、落ち込むのは必至かも。
せめて豚たちに、おなかいっぱい食べさせてあげたい。
とか。
luckdragon2009 2010/05/18 21:15 結局、懸念は豚の処分が進んでいないこと、のようですね。
どのくらい、いわゆる理論的な背景があるかは不明ですが、農家の実感としては以下のようです。
> さて現在、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)遺伝子診断が陽性だった場合、殺処分をする防疫方針で望んでいます。しかし現実には、宮崎の畜産農家の前々回に紹介した悲痛なメールにあるように、殺処分は獣医師の圧倒的不足(九州地区からの応援獣医師はわずか3名にすぎませんでした)のために大幅に遅れており、現在6分の1ていどが処分されたにすぎません。
> つまり、殺処分が間に合わないために待機患畜が1週間以上生きたまま農場に約3万頭もいる状況となっています。(5月8日現在)、特に牛よりも最大2千倍もウイルスを排出している患畜の豚が多く農場に残されていることは非常に危険です。その地域のウイルス濃度を押し上げていくからです。
luckdragon2009 2010/05/18 21:21 多分、農家の本音というか、今の感情としては、清浄国なんていいよ、という感じなんでしょうね。
実際、ワクチン使用は何度も何度も現地で議題にあがっては消え、を繰り返しているようです。
luckdragon2009 2010/05/18 21:29 ついでに言うなら、現地では、政治信条なんてどうでもよくて、(実際獣医不足を生んだのは何かを考察してみればわかる)、民主批判になっているのも、特定政治家の攻撃が付加されている言説も、かなり不快のようです。ついでに言うなら、特定国への攻撃も、原因農家の特定も。
実際、現地からしてみれば、対策をどうするかが重要で、かなり理論とは離れた感情の話ではあるけれど、実際鶏インフルの自殺者にあるように、実際の自分の身の上の話だから、そういう事になってしまうと思う。
ここでも、そういう代弁者が、なかなか現れないので、ひとまず、そういう立場から、少し書いてみました。
リュート 2010/05/18 23:43 「散歩道」さんからhttp://kuyou.exblog.jp/
「口蹄疫ウィルスは生命力が強いらしい」
http://kuyou.exblog.jp/10641461/
安愚楽牧場、4月初旬に100頭以上感染、発覚前に県外へ5頭出荷
http://kuyou.exblog.jp/10636266/
「口蹄疫拡大の真犯人!安愚楽牧場!」
http://kuyou.exblog.jp/10636896/
#特定政治家の関係をどうにかしなきゃ、日本中に蔓延するでしょうね・・・。
luckdragon2009 2010/05/19 00:27 > http://twitter.com/ozakibeef
> 安愚楽の水牛輸入の流説がまだ書かれているな〜。基本的に水牛を日本に輸入出来るのはオセアニア(北マリアナに水牛いないと思う)だけなのに。そして、オセアニアは唯一BSEも口蹄疫もない地域。偶蹄類の動物の家畜衛生条件
luckdragon2009 2010/05/19 00:33 > http://twitter.com/hideoharada
> これは全くの論外ですね。1例目も6例目も初期の臨床症状では口蹄疫と判断するのは無理で獣医師には全く問題ないと専門家も言及。言われの無い非難です。RT @EnterFree @hideoharada 一部マスコミで口蹄疫を疑わなかった獣医が悪いとの論調があるので心配しています。
luckdragon2009 2010/05/19 00:37 > http://twitter.com/hideoharada
> はい。最初の検査では違うウイルス性疾病を疑ったが分からず材料を採っておいた。1例目の確認後、4/22 に改めて農家の調査に入り、3/31の材料と両方PCR検査したら3/31の材料が陽性に。RT @DugongDugongDug 最初の検査は…再検査で口蹄疫の検査をしたら陽性だった…
luckdragon2009 2010/05/19 00:42 > http://twitter.com/hideoharada
> はい。摘発淘汰政策を前提として、ワクチン接種された全ての動物と殺後3ヶ月で。RT @Terra019 感染域周辺にワクチン投与後の殺処分(vaccinate-to-kil)を用いた場合、現実として家畜衛生条件を考慮した際に、殺処分完了から3ヶ月後の清浄国として認定…?
luckdragon2009 2010/05/19 04:46 既に対応できる流言レベルを越えています。
私自身も含め、今出ている、報道、web情報はすべてデマ(2001年の英国の例あり)だと疑うくらいがよろしいかと。
農水省プレスリリースと、宮崎県の広報がすべて、です。
Yosyan 2010/05/19 08:32 luckdragon2009様
現地情報は重要なのですが、こうも情報が錯綜してしまうと事実が見えなくなります。現地は直面する惨劇に不安心理は増幅しているでしょうし、県や政府の対応に不信感を募らせざるを得ない状態に陥っていると思われます。また行動制限も厳しく行なわれているようですから、目に見える情報と不安心理が増幅して膨らんだ情報が飛び交わざるを得ない状態になっているとも考えられます。
少しだけ近い状態を阪神大震災や神戸の新型インフルエンザ騒動の時に経験しましたから、あれのもっと程度の強いものが広がっていると推測しています。ただ神戸の時はそれでも断続的に公式情報が提供され、徐々にパニック心理は低下しましたが、宮崎の場合は長期の封鎖状態ですから、かなり状況が異なると考えています。
扱いが非常に難しい状態で、無視して触れないのも良くなさそうですし、かと言って根拠の薄い情報を流布するのも躊躇われる状態です。
ふと思ったのですが、ネット以前ならこれだけマスコミの情報管理が行なわれたら、現地の事情はまったくわからないまま「大した問題ではない」と軽視された懸念だけはもっています。それにしても難しくなっている問題です。
luckdragon2009 2010/05/20 02:25 ワクチンの施策も動き出して、現地も少し落ち着いたでしょうか。
考えるに、ゆっくりですが施策も現地の心情をトレースしつつあるように感じています。
実際、何度も検討にあがったワクチンを、清浄国定義の枠ありで実施しようとしている訳ですから。
実際、現地も当事者間同士での役人やら、工事の人やら大変なようで、おまけに移動制限ですから当然人とも直接は離せず、いらいらは募るばかり、という感じで、こういう時には、いろんなバイアスかかってしまうのも無理からぬところかな、と思ってしまいます。
今は流言対抗コメントは止めましたが、実際、流言は疑いたい対象や、うまくやっていそうだ、という願望から生まれるような内容が多いです。まさに、震災や、古くは関東大震災の時に起きた内容と同様です。そういう意味では、それに思いが至る人たちは、これは怪しいぞ、と判断がつく、とも考えられます。だって、同じバリエーションの差異違いですから。
流言って伝達ゲームの情報のバイアスで発生します。猜疑心からですよね。
多分、こういう時は周りがみんな敵に見えてきてしまうのではないかと思います。
特に身近で世話している家畜ですし、種牛に至ってはケーキまで作って祝っていた牛ですからねえ。
今は山田副大臣が現地?に行っているようですが、その方が良いです。赤松大臣が行ったら畜産農家の方、多分切れてしまうでしょう。
秋田の減反の際にもかなり現地の農家の方の反発を呼んでしまっているようです。
結果論ですが、大臣が現地に行かなかった事は、逆に現地のためには良かったんじゃないか、と考えています。まあ、はっきり言って農水省大臣としては、不適格ですよね。副大臣の昇格とかダメなんですかね。副大臣の方がよりベターな気がします。
で、現地の内容で気になったのは、どうも豚の症例発生(最初の例)が、現地の研究所で発生しているらしいという話です。これも現時点では不明確なので、状況終結後にしっかり分析して頂きたいと思います。防疫体制にもいろいろ検討の余地はあるのかも知れません。
防疫体制も、見事に豚インフルの国内感染の風景とオーバーラップしてしまいます。これを見るに、畜産農家の清浄国定義が神話だ、というコメントも心情的には納得してしまいます。ただ、貿易とか考えると、出荷停止の話ありますから、なかなか、そういう訳にはいかないのでしょうね。
なお、流言については報道や、原田さんのところに寄せられる内容にも発生が見受けられます。公的なプレスリリースがすべて、というつもりでいた方が良いでしょう。
私が前に書きましたが、報道や web情報もデマのつもりでいて、公共機関のプレスリリースが唯一のもの、と考えた方が良いでしょうね。