ニュース特報

2010年05月17日号

【陸山会事件】
東京地検特捜部、衆院議員石川知裕被告を午後に再聴取へ、本誌編集長のコメント


●時事通信配信記事
 時事通信は17日、「石川議員、午後に再聴取へ=陸山会虚偽記載―東京地検」という見出しで次の記事を配信した。 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、東京地検特捜部は17日午後に、同会の事務担当だった衆院議員石川知裕被告(36)から任意で事情聴取する方針を固めた。
 15日の小沢氏への聴取に続き、同氏を「起訴相当」とした検察審査会の議決を受けた再捜査の一環。
 石川被告は「虚偽記載について小沢氏に報告し、了承を得た」と起訴前に供述。検察審査会はこれを、小沢氏が関与した直接証拠として挙げた。特捜部は再聴取で、改めて小沢氏の関与について詳しい説明を求めるとみられる。
●本誌編集長のコメント
「産経新聞によれば、石川被告への再聴取では、政治資金収支報告書の記載内容をめぐる小沢氏とのやりとりを中心に聴き、小沢氏の虚偽記載への積極的関与などを改めて確認。小沢氏と石川被告らとの共謀が立証できるか否かを判断する。という。
 そうだとすれば、石川議員の事情聴取は長時間にわたるのではないか。
 石川議員は売り主に登記留保を頼んだ。小沢氏にどんな報告をし、了解を得たのか。これが、石川氏に対する事情聴取の焦点の1つだ。
 石川氏が「売主に登記留保を頼んだ」のと、「04年の収支報告書を提出する前に、小沢に報告・相談した」は連動している疑いが濃厚であるからだ。

 また、いつの時期かは分からぬが、関係者が業者側に「Aには言うなよ」と土地購入について口外を牽制したという風評もある。Aは購入地の近くに住む人物。
 売り主、仲介業者と小沢氏との関係も事情聴取の焦点の1つだ。
 検察にはこの混迷する政局の中でどう石川氏の供述を評価すべきか、熟慮し小沢氏の処分を決めてほしい。

 それでも、再び小沢氏を不起訴にする公算が強いと思うが、その場合、検審は自動的に再審査に入ることになる。審査するのは、4月に小沢氏を「起訴相当」とした東京第5検審。
 4月に議決を出した審査員11人のうち、6人は5月で交代。再審査するのは残りの5人の審査員と、新たに加わった6人。この11人のうち8人以上が「起訴すべきだ」と判断すれば、小沢氏は強制起訴となる。小沢氏は特捜部の不起訴処分が出たとしても、それで終わるわけではない。強制起訴の可能性が残るということだ。」


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