ニュース:経済・IT RSS feed
次期通常国会に道州制推進基本法 総務相
行政区分を現在の都道府県制ではなく、道や州で大きく分ける道州制の議論が深まってきた。原口一博総務相は19日、次期通常国会に推進基本法案を提出する考えを表明。経済同友会も同日、道州制を導入する場合は東京23区を「東京特別州」として切り離し、国の特別会計を地方に移管し、それ以外の既存債務は「債務返済機構」を創設して返済すべきだという提言を発表した。いずれも政府が6月にまとめる地域主権戦略大綱をにらんだ動きだ。
原口総務相は同日午前、日本経団連の御手洗冨士夫会長との会談で、「地域主権戦略大綱に経済界の議論の成果を盛り込み、来年の法案につなげたい」と述べた。道州制では日本経団連が今年4月にまとめた成長戦略で基本法制定の必要性を明記しているが、民主党は昨年の衆院衆選時のマニュフェストで「将来的な導入も検討」「地域の自主的判断を尊重する」との表現にとどめていた。総務相発言はこれより踏み込んだものになる。
原口総務相は「経済成長を経験したことのない人が社会に出る時代だ。これまでのしがらみを捨てなければならず、道州制などが大きな課題になる」と指摘。会談後、記者団に法案の具体的な内容について「これからの議論だ。(道州制を希望する地域が)手を挙げる方式でやりたい」と述べた。基本法制定に向けては地方への権限移譲の進め方や、移譲の受け皿になる地方組織のあり方などが議論される見通しだ。
一方、経済同友会は道州制導入にあたり、総人口の1割が居住し、国の税収全体の4割を納めている東京は「他の地域と切り離して考える必要がある」(池田弘一副代表幹事・アサヒビール相談役)として、23区内を「東京特別州」に改変することを提言。また、国から地方に税源が移譲されることから国の長期債務返済に支障を期さないよう、債務返済機構を創設すべきだとしている。