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飽きを乗り切れば大発展

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やる気を示すにはもう一つのポイントがあります。もって生まれた学習能力を発揮し続けていけば成果は必ず右肩上がりで伸びていきます。しかし、それは直線ではないということです。順調にやっていても、足踏みをする時期が来るのです。まずは、やりはじめはあまり順調ではありません。これを準備期といい、あまり成績は上がりません。次にバーっと上がる時期があります。しかし、必ず頭打ちになる時期が出てきます。しかし、これが頂点ではないということで高原期と呼びます。このように直線ではなくS字曲線の積み重ねで進んでいくのです。
そして重要なことは、一番最初のSが一番時間がかかるということです。2S(2番目のS)になると、今までの時間の半分ぐらいで達成度はぐんとはね上がります。だから最初の足踏みのときにあきらめたら損をします。3Sになると、3分の1ぐらいの時間でさらにグーンと上がるのです。つまり後になればなるほど自信がついてきて、もって生まれた一発で学習していく力がどんどん出てくるのです。
ところが、大部分の人間は1Sでやめてしまいます。なぜなら頭打ちになるので、「僕はもうこれぐらいのものだ。では別のことをやろう」ということになってしまうのです。「公文がちょっと調子が悪くなってきた。じゃあ、今度は別のことをやろう」と考えます。それは発展期の「やったぜ!」という気持ちをまた味わいたいからです。特に1S目の頭(高原期)では、高いレベルでできなくなったにもかかわらず、ものすごく不安を感じます。
ところがここは2S目の準備の時期に当たっているので、ここをやり続ければ必ず2つめの発展期にいたるのです。だから1S目の頭で逃げてはいけません。この点だけが、要注意事項です。2S目も頭打ちはきますが、ここでは自分からやめることなく、友だちや先生に教えてもらったりして積極的に切り抜けるものなのです。そうして必ず伸びていくわけです。
1S目で終わる人が多いので、ここでやめた人のことを「素人さん」といいます。1S目の頭を乗りこえて3S目までいった人は、成果は10倍以上になりますが、時間は倍しかかかっていません。これを「玄人さん」といいます。玄人は専門職としてやっていける段階まできた人です。その間に1Sと2Sの高原期に2回がまんをすればいいのです。でも2度目のがまんはあまり大したことはありません。だから一番最初に嫌になったときにがまんができるかどうかが分かれ目です。そこを乗り越えたら継続ができるのです。つまり継続がものすごく大切なのです。皆さんも頑張ってください。
このような学習曲線は2時間くらいの毎日の学習でも起こり、必ず途中で飽きます。そのときにこう考えてください。「よし、学習曲線からいっても飽きるのは当たり前なのだ。二度飽きるまではやめないぞ。二度飽きたらもう寝よう」。このようなつもりでやってください。
また人間の発達もやはりS字カーブで進んでいき、伸びる時期と停滞する時期が交互にやってきますが、停滞する時期が大切です。その時期にがまんしてやり続けると、その次は大きな発展につながるのです。
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