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好奇心が学習意欲を起こす

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少し詳しく学習能力の仕組みを見てみましょう。赤ちゃんに典型的に見られるのですが、まずオオカミの社会とか人間の社会を学ぶきっかけとなる刺激(学ぶ対象)が与えられると、「これは一体、何なんだろう。きっとこういうものだ」と、自分がすでに知っていること(知恵袋のなかの知識)を使って「予測(Plan)」をします。そしてそれに基づいて「実行(Do)」すると、働きかけられたものは反応をします。この反応はたいていの場合、自分がたてた予測とはズレており、これを発展的応答といいます。その応答を見て「これは自分が予測したものとは少し違う。新しい発見だ」と「評価(See)」し、発見部分を一瞬にして身につけて(知恵袋に格納して)しまうのです。これが、新しく学習されたものとなります。こうした学習の仕方を「Plan」「Do」「See」の頭文字を取って「P-D-Sサイクルシステム」といいます。これが人間がもって生まれた、効率の高い学習のシステムなのです。
初めて見るものがあると、それに対して自分自身が「おや? これは一体、何だろう」と思います。そのときに自分の知っていることと関係づけて思うのです。これを好奇心と呼んでいます。自分が知っていることよりもちょっとだけ違うものだから予測がたつのです。そしてちょっと違うことが分かったら、「ああ、そうか。こういうこともあるんだ」とその新しいものを自分のものにしてしまう。そういう形で好奇心を働かせたときにはポーンと一発で頭のなかに入ります。
この能力は、自分が「面白い」と思って予測をたてないと働かない能力なのです。意欲というのはまさに好奇心で、その好奇心はもって生まれたものだと言えます。
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