内山高志“議員”へ会長後押し　ＷＢＡ世界王座防衛一夜明け

　“内山議員”に太鼓判−。ＷＢＡ世界スーパーフェザー級王者内山高志（３０）＝ワタナベ＝が初防衛の成功から一夜明けた１８日、東京都品川区の所属ジムで会見した。同席した渡辺均会長（６０）は「内山を政治家にさせたい」と明言。Ｖ３をクリアした後、政界進出させるプランを明かし、「政治家と話していても、内山の方が話に説得力がある」と猛プッシュした。次戦は９月を予定しており、暫定王者ホルヘ・ソリス（３０）＝メキシコ＝か、嶋田雄大（３８）＝ヨネクラ＝との対戦が有力だ。

　黙っていられなかった。渡辺会長は自ら話を切り出し、内山に政治家のススメを説いた。

　「今までの内山の行動を見ていると、政治家に向いている。そういう道を考えてほしい。人を思いやる気持ち、人の上に立つということ。苦労もしているし、いろいろな政治家と話していても、内山の方が説得力がある」

　ボクサーとともに、政治家としての適性もあることを主張した。続けて「将来的にジムの会長をやるより、政治家の方が向いている」と“内山議員”に太鼓判を押した。陣営には９月のＶ２戦、来年１月のＶ３戦をクリアすれば、「現役世界チャンピオン議員」を目指し政界に打って出るプランがある。

　師匠の話を伝え聞いた内山は「いやいや…。まだまだ全然です」と照れ笑い。「ボクシングにしっかり専念しないとダメですよ」と、まずは２度目の防衛戦に集中する。

　次戦は暫定王者ソリスとの王座統一戦か、嶋田との日本人対決が有力だ。渡辺会長は「ルール通りでいくと暫定王者だけど、できるなら日本人とやりたい。嶋田君から挑戦状が来ているので」と話した。嶋田は２度の世界挑戦経験がある３８歳のベテランだ。

　内山は「会長が決めた相手に勝つだけ」と誰でもＯＫの姿勢。「嶋田さんは戦略家っていう印象。ソリスはパッキャオと戦っているのを見た。いい試合していたし、そういう選手と対戦できる可能性が出てきたのはビックリしている」。内山は約２週間の休息ののち、練習を再開する。　（森合正範）