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口蹄疫10キロ圏内すべて殺処分、政府が方針固める

殺処分が行われている宮崎県立農業大学校で、職員から消毒作業を受ける出入り車両(19日午前9時39分、宮崎県川南町で)=中島一尊撮影

 宮崎県の家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で、政府は19日、発生地から半径10キロ圏内の牛や豚をすべて殺処分する方針を固めた。同10〜20キロ圏の家畜は、国がすべて買い上げる。地元自治体や所有者の合意を得て、近く殺処分を始める。

 農林水産省と宮崎県ではこれまで、牛や豚に感染が発覚した場合、その農場の家畜の殺処分を進めると同時に、発生場所から半径10キロ圏内を「移動制限区域」に指定し、家畜の移動を禁じてきた。

 しかし移動禁止だけでは爆発的な感染を食い止められないとして、今後、同区域内では、まだ発生が確認されていない農場の家畜もすべて殺処分する方針に変更するという。

 18日現在の殺処分対象は、同県えびの市、都農(つの)町、川南町、高鍋町、新富町の1市4町の131農場の約11万8000頭だが、農水省では、今回の措置で新たに約20万頭が殺処分の対象となるとみている。感染していない農場の場合、家畜にワクチンを投与して感染を遅らせ、埋める土地を確保した後、殺処分する。

 一方、発生地から10〜20キロの「搬出制限区域」内では全頭を食肉に加工した上で、政府が買い上げ、流通させずに処分する方針。

 同省は19日にも、この方針を地元自治体や農協に説明。合意を得た上で、殺処分や買い上げの手続きに入る。川南町周辺に比べ発生が限定的なえびの市については、今回の措置の対象に含めるかどうかはまだ検討中という。

 同市の村岡隆明市長は19日、山田正彦・農林水産副大臣と市役所で会談し、半径10キロ圏内のワクチン投与と全頭殺処分について、「できれば避けてほしい」と要望した。

2010年5月19日  読売新聞)
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