スポーツ
ニュース

錦織全仏へ日本男子最年少滑り込み出場

　錦織マジックだ！　男子テニスで錦織圭（２０＝ソニー）が１８日、日本男子最年少で初の全仏オープン本戦出場を決めた。４月１２日のエントリー締め切り時点では、本戦入りに繰り上がるための順位は９番手。４大大会では異例の１０選手が本戦欠場したため、この日から始まった予選の直前に、最後の最後で滑り込んだ。これで錦織は４大大会すべての本戦に出場することになる。全仏は２３日、フランス・パリで開幕する。

　予選の組み合わせが発表されたこの日。滑り込みで、錦織に朗報が届いた。まさかの本戦ストレートイン。「とても興奮しています。既に飛行機の予約もしました！」。日本男子最年少での全仏初出場を、ツアー下部大会２週連続優勝の勢いで、錦織がマジックのように引き寄せた。

　４大大会で、１０人もの欠場者が出るのは異例中の異例だ。錦織サイドも、当初は本戦への出場はあきらめかけていた。予選が始まると、それ以降の本戦からの欠場枠は、予選に出場する選手で埋められる。錦織は予選にエントリーしておらず、まさに本戦入りのタイムリミット寸前だった。

　全仏のエントリー締め切りは４月１２日だった。その時点での、本戦入り最後の選手の世界ランクは９９位。錦織はその時、右ひじの故障による欠場があったため、世界ランクはなくなっていた。しかし、公傷制度のプロテクトランク１０６位でエントリー。１７日の時点で５人の欠場が決定していたが、まだ本戦には遠い数字だった。一夜明けて、思いもよらなかった４人の欠場者が出た。

　全仏だけが、本戦に出ていない最後の４大大会だった。０８年に予選に初挑戦。２回戦で敗れた。最も好きな大会として公言していた全仏が、けがから復帰する最中に幸運にも転がり込んできた。「グランドスラム・レベルで試合ができるのが待ち遠しい。ぜひ僕の活躍を見てください」。ついに天才エア・ケイが、世界の舞台に戻ってくる。【吉松忠弘】

　［2010年5月19日8時27分　紙面から］